2024年『このミステリーがすごい!』大賞受賞作
期限は3日。自分が死んだ理由と、
ピラミッドから消失した先王の謎を追うのは“ミイラ”!
友情と浪漫に満ちた空前絶後の本格ミステリー
表紙の絵がなんだか怖いんだけど、内容は不気味なホラーでなく
でも、ミイラになって生き返る設定だからホラーかオカルトか
ファンタジーか
タレクの仕事場からは、砂漠にそびえる王墓(ピラミッド)がよく見えた。
タレクは遺体をミイラに仕上げる腕のいいミイラ職人。
小さいころからの親友セティの遺体をミイラにして
冥界へ送り出したのが半年ほど前
セティは冥界に到着し、女神マアトから死者の審判を受けたのだが
心臓が欠けているから現世に戻り探して来い、と言われ
冥界から現世に戻ったセティは自分の心臓の欠片をさがす、期限は3日以内だ。
生前のセティは神官だった。
上司の神官長メリラアを訪ね死亡時の状況を聞くと、王墓(ピラミッド)で崩落事故がありセティは石に埋もれ胸にはナイフが刺さって死亡していたという
だれがナイフで刺したのか?
アクエンアテン王(ファラオ)を冥界に送り出す葬送の儀に、王の遺体がなくなっていたためメリラアは責任者として処刑されてしまう。
メリラアは、先王と8歳の新王・トゥトアンクアテンのアテン信仰を阻止しようとしていた。太陽神アテンが肥大し太陽の熱で地は枯れエジプトは滅亡すると案じていた。
信仰の力を吸って、太陽が目に見えて巨大化していく
太陽が大きくなり続けたら、現世も冥界も滅びる‥
崩落事故は積まれた石が崩れたことが原因だった
奴隷少女カリはピラミッド建築現場に石を運ぶ作業をしている
石に細工されたか?
タレクの飼い犬がアヌビス神にそっくりで、もとはカリの飼い犬だったとわかる。
セティの出生と父との確執、親友タレクとの思い出
セティの意外な正体。
古代エジプト王朝の生活や風習・習慣には馴染みがないけど
なるほどこういう時代だったのか、と
思いを馳せながら読んでいくと興味深いです。
特に太陽神信仰に何か共通するものがあるような気がします
エジプトのピラミッド、日本の前方後円墳
こんな巨大な墓をいくつも作った国ほかにある?
十数年前エジプトツアーに参加した時のことを思い出しました。
砂漠を照りつける太陽の容赦ない暑さと不快な砂埃。冷房のないエジプト考古学博物館の棚に雑然と積まれていた大量のミイラ。不思議と薬品臭や腐敗臭がなかったのは乾燥した気候のせいか。ツタンカーメンの展示室だけ冷房が効いていた(今はどうか知らない)砂漠に転がるラクダの糞の匂いが強烈だったし、ピラミッド内の暗い階段を上って見学もしたし。日陰のない砂漠の炎天下は、肌を露出するより覆うほうが過ごしやすく、大量の汗をかいて消耗する暑さではなかったと思う。今より若かったし暑さ負けより好奇心が勝ち、実物のピラミッドを見て触れて感激した。
