松尾純一郎57歳、バツイチ、無職
純喫茶を巡り「人生」を考える。
純一郎は元大手ゼネコンの営業マン。これ以上出世の見込みがないこともよくわかっていた。喫茶店を始めたくて退職したくなり、妻の反対を押し切って退職。退職金をつぎ込んで喫茶店を開店したものの約半年で潰した、というより早めに撤退した。
現在は、再就職の面接活動中。
男の人生というのは、理想的な喫茶店を探す旅ではないか。
男のロマンを追い続けている、と言えば聞こえはいいけど、大丈夫?
大学2年生の娘から言われたことは
お父さんって、本当に何もわかってない。
自分の置かれた立場、ちゃんとわかってる?
社内不倫の末、離婚し今の妻と再婚し娘が生まれた。娘が大学入学と同時にアパートを借り家を出ると、妻も娘の引っ越し先へと家を出ていき現在は別居中、正体は相当なモテ男なのか。
余計なお世話だけど、このオジサンのどこが良くて、社内不倫して略奪婚されたんだろうか、と疑問が渦巻きました(失礼)
なるほど、男前だったからでしょうか。娘は純一郎に似て色白で鼻が高くそこそこ美人で頭も悪くない。かつてのモテ男も今では無駄に男前らしい(苦笑)
20年前は前途有望に見られ、敵を作らない無害さが幸いしたが、今では出世コースから完全に脱落。再就職活動の合間に喫茶店めぐり。タマゴサンドにしようかパストラミサンドにしようか、ブレンドかいいかアメリカンがいいかカフェオレにしようか、と悩む日々を過ごしている。
妻や娘などからも「自分のこと、本当にわかってないのねえ」と言われ
情けないと悲しくなってきたところで、喫茶店の前に来ると
モーニングメニューを見て「いいですねえ」と独り言が漏れてしまう。
ダメ男の烙印を押されても、こんがりトーストの色を見たら機嫌を直してしまう。
モラハラでも支配的でもないのに、なぜか妻や娘に嫌われて困っている純一郎。
うーん不倫はアレだけど、純一郎はダメ男でないし、ろくでなしでもないし、どちらかといえばジェントルマンですよねえ。自分のことわかってない人は、男にも女にもいるし、世間では珍しくもないし。
結末は?純一郎が望んだ人生とは、これでいいのだろうか。
立て、立ち上がるのだ純一郎!まだ終わってない!と小声で励ましを送りたい気持ちになりました。
