さみしい時もうれしい時も

本はいつだって、寄りそってくれる。

鷹島古書店を、亡くなった兄の鷹島滋郎から引き継いだ珊瑚は

七十を過ぎてから身体の冷えがひどい。

店の売り上げを考えると、ため息をつくこともある日々。

店を手伝う姪孫の美希喜は、変革を求め

珊瑚は兄の決めたままの店にしておきたくて、変えられない。

 

すずらん通りの古書店街にある鷹島古書店の隣は、ブックエンドカフェの美波さん、

出入りする出版社の辻堂社長や社員・建文さん、商店街の総菜屋の青年・大我君、

小説家志望の二十代後半の男性・奏人君など、個性的だけど心優しい人たち。

 

ふわっと現実離れしたかような善人の集まるメルヘンな街、珊瑚は改装工事をして、店に喫茶コーナーを作る計画をし実行に移す。

 

でも、珊瑚は故郷の北海道に帰ってしまう、恋人の東山さんが転んで怪我したから。

今、一緒にいないと、きっとあとで後悔すると思ったのです。

北海道に帰って一ヶ月近くたち、美希喜は珊瑚と電話で話すと、まだ帰れないと言われ戸惑う。鷹島古書店は、どうなってしまうのでしょうか。思い通りにはいかない、はらはらしながらも、寄り添う気持ちで安心して読んでいけます。大丈夫です、極悪人はいませんから。