日本古典文学史上の名作を林真理子が換骨奪胎して再構築。
スピード感あふれる展開!瑞々しい心理描写!驚愕の結末!
令和の『平家物語』今、ここに誕生!
換骨奪胎?え?なにこの四文字熟語、カンコツダッタイとは先人の作品を元にして独自の作品を作る意味らしいといまさらながら知りました。
林真理子さん独自の斬新な解釈が令和の感覚で、さくさく読めました。
陽ざしは正午に近いことを告げていた。
しかし波のかなたに見える敵の船は、ぴくりとも動かない。。。
始まるときは、自分たちの終わりの時とわかっているからである。
壇ノ浦の戦い洋上決戦直前の様子から始まります。
長い逃亡生活のすえ、平家の女性たちが入水する覚悟で小舟で海に出る。
これはつまり、敵前で玉砕したひめゆりの塔の平家版なんだろうか。
平家の公達は、みな美男で優美なことで有名であった。歌もよくするし、笛、琵琶の名手もいる。
無骨で無粋な武人のイメージですが、礼儀正しくイケメン揃いだったとは意外。
美男美女はいつの時代も勝ちなんでしょうけど、運命には逆らえない。
世の中は「平家にあらずんば人にあらず」という傲慢な言葉どおり、すべての人間が平家になびいていく。
平家が負けるということは、ある意味この世の終わりを意味した時代なのでしょう。
終わりがあれば、始まりがあることも事実。
平家の運が尽きて黄昏ていき夜の闇が始まった。
琵琶法師の語る、この世でいちばん美しい敗者の物語「平家物語」
~祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響あり
全盛期の平家に、これほど早く滅びる日がやってくるとは、いったい誰が想像出来たでしょうか。
この世には想像を絶する予想外が多々ありますし、己の傲慢さに足元をすくわれた例が、歴史には数多く残っていますよね。
力のある者は決して傲ってはいけない。と「平家物語」は何度も繰り返し言っております。
失敗したり、とことん追い詰められたりして、やっと気づく。平家一族は反省するのが遅すぎたのかもしれませんね。気づいた時の後の祭り感。
平清盛の継母・池禅尼のおかげで首をはねられるのを逃れ、伊豆に流されていた源頼朝に、平家追討の院宣が出され、やがて栄華を誇った平清盛も病に倒れ、源頼朝の首を見なかったことを思い残しながら、熱病で苦しみ抜いて亡くなる。
そして平家終焉とうわさされるようになっていき、ついに壇ノ浦での決戦の日が来て
源義経との戦いに敗れ、平家のほとんどが海の底に沈んだ。
平家の女たちから見た悲哀、栄枯盛衰が書かれ、驕る気持ちを戒めているのに、現在も驕る人が後を絶たず、いつになっても懲りないのが人間のサガかもしれない。
