心が病んだ。
まさに病は氣からだ。
実家へ行くと父の悪口ばかりだった。
挙句に
「結婚しなければ良かった」
娘も息子もそのまた子どもたちもいるのに?
それをすべてナシにしたいわけ?
私は心の中で想った。
半年以上そんな愚痴ばかりだった。
それは、母が嫁いでからというもの働きづめ、姑との確執があったようだ。
その時代はよくある話だったのかもしれない。
いや、今もある。
愚痴を言いたいだけ言った母は、ぽつりと言った。
「それでも、お父さんは良いところもあったね」
当たり前だ。
うまく対応出来なかったのだ。
父はあまりものを言わない人だった。
私もロボットだと思っていたぐらいだ。
亡くなってから、父の姉に知らない父の過去を聴いた。
父の苦悩、母の苦悩を知ることになる。
母は生まれつきの持病があった。
それでも70まで働いた。
その間に脳内出血で倒れたこともある。
父の死後、母は今までの人生が走馬灯のように頭に流れて来たのだと思う。
それで、言えなかったことを一氣に娘に吐き出す。
私が週末行く度に。
それを聴くのが辛かった。
見舞いに行くがキレて帰って来たことも何度もあった。
母はまさに「いま」でなく、過去に縛られ、過去を生きていた。
昭和一桁の母に何度話したことか。
わかってもらえない。
過去から今へ連れ出そうとするが、時間がかかる。
私は、弟が生まれてから母の愛情を半分以上取られたと思っていた。
屈折もした。
可愛かった弟に嫉妬もした。
弟は母が大好きだったと記憶していた。
弟夫婦は仲良いし、息子と娘にも恵まれた。
弟にはもったいないくらいのお嫁さんがいつも笑顔で寄り添ってくれている。
それが、ここ一年以上つづく母の入退院でいろいろなことを発見する。
弟も私と同じようにツンデレになってしまっていた。
しかも弟は母が老いていく姿と向き合わない。異性だということもあろうが、それは道理ではない。
逃げている。
それを自覚して、どう向き合って生きるかということを弟は知らないのだと思う。
今のままでは身内からではなく、第三者からしか氣づけないと思う。
勇気を持って欲しい。
日々の介護や弟のことを含めて、
お嫁さんに感謝しかない
