母のことを書こうと思う。

 

先月ある朝急に父親から電話かかってきて

 

「お母さんがマンションのエントランスで倒れたらしく、今救急車で運ばれてるんだって。」

 

父が出勤したすぐ後、母はゴミ出しか何かの用事でエレベーターで下に降りて行き、エレベーター出たところで倒れたらしい。

 

原因は脳出血。

 

父がとりあえず今は大丈夫と言うので、私は翌日母に会いに行った。

 

 

その時の母はベッドで点滴を受けていたが、意識があり会話ができて、倒れる瞬間までの記憶が鮮明だった。

 

「洗濯かけっぱなしできちゃった」

「エレベーター降りた途端、足が絡まっちゃって止まらなかった」

「倒れた時おでこを打ってすごく痛かった」

 

そんなふうに話してくれる母の記憶力に感心したし、とにかく意識がしっかりしてて安堵した。

麻痺が残っても、今まで通り動けなくても、こんなにしっかり意思疎通できて良かった。

 

「良かったね、良かったね」

 

父とそう言いながら病院を後にした。

 

急激な変化はその翌日の朝、また父親から電話かあって

 

「お母さん急に意識なくなって今から緊急手術になるって」

 

え 昨日あんなに元気に会話できたのに?

何がいけなかったんだろう。

手術って頭蓋骨切って脳内どうにかするってこと?

 

とにかく不安ばかりで苦しかったけど、すぐに病院に向かった。

父と兄が既に待合室にいて、4時間くらいの手術が終わるのを一緒に待った。

 

手術室から出てきた母の顔は真っ青な顔で髪の毛は全部丸刈りにされていた。

反応はなく、人工呼吸器に繋がれていた。

昨日とは全く違う母に私たちは言葉も出ない。

 

それよりも私は父に対して胸が痛かった。

 

昨日の安堵した笑顔でいっぱいの父ではなく、困惑している父を見るのが辛かった。

 

「なんでこんなことになっちゃったんだろ」

 

数日前、いつも通りの母と朝食をとり「行ってきます」と家を後にした時から全てが変わってしまった。

 

きっと父は私以上に衝撃を受けていてるんだろうな。

 

大丈夫かな。

 

「これから私に何ができるだろう」

「父が心穏やかに過ごせるために何ができるだろう」

 

真っ青な母の心配よりも、

母のいない家でこれから生活していく父を思うと胸が痛かった。

 

でも暗くて思い詰めた私は見せたくない。

 

父も私が母より父を心配して元気がないなんてきっと嫌だろうから。