永井真理子『大事なもの』

大事なもの

日々生活している中で、自分にとって刺激になったり感動したりする瞬間があっても、時間が経てば少しずつその新鮮さが褪せていく...。それは新しい情報をどんどん頭が受け入れてくれてるわけだから仕方が無いのだろうけれど、時々自分が薄情な人間に思えたりしてしまう事がある。悲しみに関しても同じ事が言えるのかも。絶望的に落ち込んでいた事が嘘のように思えてしまう時がやってくるんです。これに関しては、少しありがたく感じるかな。いつまでも痛みが残っていたら何も見えなくなるし進めなくなる。非常に便利に出来ている私の心です。でも憎しみだけは別です。小さなカケラだったはずが、いつの間にか自分を包み込んでしまうくらい大きくなっている。飲み込んでも飲み込んでも消化出来ないと言うか...。とても嫌だけれど、これをしょって生きて行くように出来ているんだろうな...。コンプレックスやプライドはこの辺から製造させているのかもしれない...なんて思ったりもするし。もの凄く頑張ったり、欲張ったり、負けられないと言う気持ちを持たせてくれているのかもしれないですね。いつでも心は学習したり戦って行ったり忙しい。素敵な事です。もっと若い頃は、何の為に生まれて来たのかな？私らしさは？答えや出口は？なんてことばかり考えていたけれど、今は心の底から笑ったり、大事な人の事を考える事が大切なんです。歳をとって丸くなったの？（笑）...とても自然な成り行きでね。私はその時吹いた風に乗っかって生きて行く事の方が性に合うようです。
昨日久しぶりに想い出の場所に行って来ました。「ミルソンズポイント」という所なんですが、シドニーに来て初めて眺めた景色なんです。オペラハウスとハーバーブリッジが見えるなんて、「いかにも！！」って感じですが、とにかく奇麗で空が大きいんです。「さー、これからどこに向かおう！」なんて明るい未来を予感させてくれる場所なんです。もうあれから５年近く過ぎてしまい、毎日この橋を車で渡っていたので忘れていましたが、久しぶりにあの日の気持ちを思い出しました。今回は少し固い内容になってしまいましたが、たまにはいいかな...ってことで！！