「うちの娘だったら苛酷なこの世界には心配でひとりでは置いておかないのにね。それにしてもあんたの声はいいじゃんね~(甲州弁)」。
ある晩、歌手の友人から電話が入り、日赤病院の臍帯血の歌の打合せと会食を終え、病院関係者とカラオケをしていたところ、横に座ってまり子の歌を熱唱しているご夫妻がいて、思いきって話かけたら、なんと同郷の山梨県。とにかくまり子の声と歌が大好きらしいから僕も嬉しくて電話いれたんだよ。との嬉しい話。あれから22年。
静岡県伊東にあるホテルハトヤに長期座長公演で缶詰めになっている時も、大きなおにぎりを握って何回も応援に訪れてくれた。東京の自宅にも頻繁に通い、手巻き寿司、山梨県独特の味付けの料理をいつも食べさせてくれた。30代のはじめに体調を崩し顔におできができ泣いていた時も病院まで連れて行ってくれて助けてもらった。ステージの数は多いのに同じ着物はきれない。けれどお金が足りなくて着物が買えない時には自分の最上級の着物や、外で恥をかかないようにと本物の宝石や時計も貸してくれたり、プレゼントをしてくれた。真理子、これからは本物を身に付けなさいよ。栄養も睡眠もしっかりとりなさいよ。人生は苦娑婆だよ。覚悟して頑張るのよ。
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山梨県の人は海なし県のせいか、マグロや魚介類、寿司好きが多く、週一回定期的に築地の寿司屋に二人で出掛けた。私が突然結婚した時は夫婦二人で心から祝福してくれ、「これであんたも人並みの幸せを掴んで良かった。子供は簡単に作ったら苦労するからやめといた方が良いけれど女性として大切にしてもらうんだよ。」と私の幸せと平和を心から願ってくれた。いつどんな時でも私の悩みを真剣に耳を傾けてくれ、冒頭の言葉は、当時の事務所社長の度重なるセクハラとパワハラで悩み苦しんでいる時に、「とんでもない世界だ。女性の顔を殴ったり、ポストを覗いたり、道で恫喝や脅迫などもってのほか。その行為は犯罪だ。」と怒り狂い、親戚の弁護士先生に相談してくれたりと本気で心配して私を守ってくれた。忖度をして逃げるような卑怯な人や、風見鶏のような人々と全く違い、咜る時も激しく恐ろしかったが本気の愛情を持って真摯に人と向き合う正直な人であった。その母親のような存在だったママが12日に旅立った。愛するパパのそばだから安心ではあるが正直とても寂しい。
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浅見京子さんの一本筋の通ったスッキリした生き方を見て長い月日をご一緒させて頂きました。たくさん、たくさん助けていただきました。お嬢さんの玲子さん、そしてスキーヤーで大活躍の風花ちゃんにもしっかり受け繋がれています。私も見習って逞しく生きていくからね。いつかまた会える日まで。See you!
ありがとう。ママ。パパ。
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