新海誠監督の映画は「君の名は」はじめ、

どれも瑞々しい感性を感じ

映画鑑賞後は気持ちがほぐれて

毒だしをしたかのようでスッキリ。

爽快で優しい気持ちになれる。 

彼が育った場所が長野県小海ということから、

そのお隣の山梨県で育った私は

自然や風景がどことなく共通し、

彼の作品は、何故かとても懐かしくて

親近感を覚える。

例えそこが、宮崎であってもどこであっても

子供の頃に大自然を

体感してきているであろう彼の作品の根本は

甲州街道から新宿までの道を感じ、

季節や風景を感じ、

思春期の甘酸っぱさを思い出させる。

いや、知ったような事を書いたが、

きっと誰もがそう思うように

作られているのだろう。


月の光の加減や、満天の星空、鬱蒼とした緑や

青々とした山々。

稲光が走ったかと思いきや、大粒の雨が降り、

考える隙もないそばから、

大地を轟かすような雷がすぐ側に落ちることも

私にとっても日常茶飯事だったので、

あの頃五感で感じた大自然の素晴らしさを

新海誠の世界に重ねて、

大都会のど真ん中の映画館で

鑑賞しているのにもかかわらず、

大自然の中に身をおき澄んだ空気を

胸いっぱいに吸い込んでいるような

豊かな気持ちにたちまちなれるのが魅力だ。


スクリーンに映る世界は

実際は出ていない匂いまで感じる程で、

土手や田んぼで走り回ったり、

でんぐり返しをした子供の頃に戻れるのだ。

宮崎駿の世界観に通じるものがある。


「すずめの戸締り」。

学舎の友から前評判を聞き、

今ではなかなか手に入らない

不思議な猫のキーホルダーも

何気に家に飾っていたが

映画を観て合点がいった。


下記の写真 猫の名前はダイジン。


時空を越えて懸命に旅する
主人公の鈴芽を見ていて、
私は心の奥にある大切な扉の中にいる
愛する人達を思い出し、
胸が熱くなった。

学友から後から聞いて驚いたが、
主人公の彼の親友(上記アップ)は
立教大学の教育学部に
通学している設定だそうだ。

毎日色々あるのは人生当然。
泣きたいことも沢山あるが、
敢えてお洒落をして笑っているように
心がけている。

気になるのは、

コロナの災いが徐々に落ち着く反面、

人間の悪行が不安にさせる。

喧嘩より、戦争より、

それぞれを認め合う優しさや

そして愛情を

なんとか音楽やアートで表現できないものかと

日々考えている。

情報も多すぎたり、一定の情報で縛られたりと
知らず知らずのプロパガンダの魔法に
脅かされる時だからこそ、
自分自身の大切な扉の開閉を間違わず、
自分なりの信念や思いを強くすることが
いたずらに右往左往せず、
日々の暮らしが穏やかに
続けられる秘訣なのではと
最近ようやく理解出来るようになった矢先の
「すずめの戸締り」は余計説得力があった。

どうぞよい週末をお過ごしください。
       MARIKO