きのうの昼間は本当に寒かった!
でも、東京のきのうの最高気温は…20.2℃。

マジか!

あの昼間の寒さが、記録外になってしまったので、
こちらにとどめておこうと思います。
「日本海低気圧、冷気ドームで気温大外しパターン」なのです。

日本海の低気圧に向かって、広く南西風が吹き、
暖気が流れ込みやすい気圧配置。
 
予想資料では、
関東一帯は、上空1500m付近9℃以上の暖気が予想されていました。


実際、さらに暖かい12℃以上の暖気に覆われた西日本では、

夏日になったところも。

しかし、東京の15時の気温は、11.3℃。
 
13時まではおおむねひと桁で経過していました。
驚異なのは、21時以降の気温の推移です。
突然、20℃以上まで上がったのです。
このため、日中の寒さは、

記憶に残れど、記録に残らないものとなりました。

予想が難しいのです!
東京の予想最高気温は、
前日14日の5時予報では19℃、
11時予報では16℃、
17時予報で11℃。
どんどん下振れしていきました。
というのも、昼前のデータで、
気象庁のベースとなるGSMが19.5℃を計算している一方で、
MSMは9.8℃の計算。


こういう時、頼りになるのは、地形の影響を細かく加味したMSMモデルなのです。

16時前に発表された短期予報解説資料には、
なかなかお目にかからない文言が!
 
「内陸に冷気層」とは何でしょうか。

関東平野では、秋から春先にかけて、日本海低気圧が進むときに、
予想外に気温が上がらないことがあります。
これは、三方を山に囲まれた関東平野の特徴で、
冷気が溜まって、南西風をブロックしてしまうのです。
冷気層の構造が気象庁HPに掲載されていました。

気温の低い早朝に降水があるなどして
内陸部の地上付近が冷気に覆われると、
その後、南西からの風が吹いても、
その冷気ドームの上を乗り上げてしまうのです。

15日の関東は、温暖前線の影響で、早朝に雨が降りました。
 
このため内陸部を中心に冷気に覆われ、
正午の気温は、房総半島の一部で15℃を超えているほか、
ほぼ10℃以下。
 


気温が上がり始めたのは、18時ごろから。

房総半島と神奈川の横浜から東京の羽田空港など東京湾周辺で15℃を超え始め、
21時以降一気に、気温が上昇。
24時ごろにようやく日最高気温をマークしたのです。


同時に、風のデータを見ると、理由は明白。


正午は冷気ドームの中にあり、風は弱く、北より。
15時ごろから房総半島で南西風が強まり、
18時には東京湾周辺でも南西風に変わり、
風が勢いを増すにつれて、気温がようやく上昇したのです。
しかし、時すでに遅しです。


天気予報で、短期予報の「予想最高気温」とは、
「日中」の最高気温ですから、9時から18時の最高気温を予想するものです。
これが、日本海低気圧における
関東平野の冷気ドームパターンの予報の難しさです。

日本海に低気圧が進むパターンは、

春一番を含め、頭を悩ませる気圧配置。
みなさんも、

天気予報を見ながら少々あやしいと思ってください(笑


今回、短期予報解説資料に、
ひとこと文言を添えてくださった大気海洋部の予報現業の班長さん、
心強いです。

ありがとうございます。