東シナ海を北上中の台風11号、
中心付近の雲がしっかりまとまっています。

正午の段階で、大型で強い勢力で中心気圧は950hPa。
夕方にはまた発達し、非常に強い勢力となり、中心気圧は、945hPaとなる予想。
このあと進路を東よりに変えて、
今夜からあす朝にかけて、対馬海峡付近を通過し、
その後、日本海を速度をあげて北東に進むことになりそうです。


九州北部や山口県には、
あす未明からあす朝にかけて、九州北部地方に最も接近する予想。
長崎県の対馬では、最大瞬間風速60mと、
電柱が倒壊するほどの猛烈な風が吹くおそれがあります。
不要不急の外出は避け、停電などの対策をしてください。
また、九州北部では、線状降水帯が発生して、
大雨災害の危険度が急激に高まるおそれがあるという情報が出ました。

海岸や河口付近では、高潮による浸水や冠水にも注意してください。

きょうは、前線が日本海から北日本付近にかけてのびています。
前線上には低気圧もあって東進中。
広く南よりの風が強まりやすい気圧配置です。

あすにかけて、
西日本や北陸、長野、東北北部、北海道など広範囲で警報レベルの風が予想されます。

また、湿った南東の風が吹き付ける影響で、
雨雲が発達しやすい地形の宮崎・大分、高知・徳島、紀伊半島では、
断続的に激しい雨が降り、非常に激しい雨が降る時間も。
比較的雨に対して地盤の強い地域ではあるが、
雨雲の位置がずれると影響が大きくなる可能性もあるため注意してください。

九州では、あす朝にかけてが雨のピークに。
特に、明け方に台風東側の発達した雨雲がかかる予想で、
夜明け前の暗い時間に周囲の状況が悪化するおそれがあります。
日中、台風は日本海を速度を上げながら北東進するため、
南よりの風がいっそう広範囲で強まりそうです。

台風に向かう湿った南風の影響で、
昼前後は四国付近、夕方は東海付近で雨雲が発達しやすい予想。
東海では、高気圧の縁辺流も加わり、
断続的に激しい雨があさってにかけて続きそうです。

さらに、今回は、
地域によって注意しなければならないことが変わってきます。
南風が山越えとなる日本海側で気温が上がります。
新潟県では、高温と乾燥により、稲の品質悪化などの影響が考えられることから、
フェーン・異常高温緊急情報を出して、稲の管理を呼びかけています。
最高気温は、富山や金沢で37℃の予想。
過去の9月以降の北陸の記録的な暑さの多くは、台風が関連しています。
新潟県内では40℃近い計算値がはじき出されているところもあり、
今回も、記録的な暑さになるおそれがあります。

北海道はあさって朝にかけて暴風に警戒してください。
台風は北へと遠ざかりながら、温帯低気圧に変わる見込みです。
今回は台風が東側に抜けるコースではないため、
台風が去っても、湿った空気の影響が残り、本州付近はすっきりしない天気が続きます。

さらに、木曜日からは、本州南岸に前線が停滞する予想。
西・東日本、東北は、
すっきりしない天気が続き、雨が降る日もありそうです。
なお、南の海上の熱帯低気圧の北上を予想するモデルもありますが、
まだブレが大きい状態です。
今後またお伝えしていきます。