2つの台風。

きのうの夜、台風10号が発生。

早くもきょう午前、気象庁で会見がありました。

かなり珍しいことです。

記録的な高温となっている海域を進んで、水蒸気をエネルギーに猛発達。

日曜日には九州の南に達し、
中心気圧930hPa以下、最大風速50m以上という、
特別警報クラスの勢力にまで発達するおそれがあるというもの。

 

勢力の強い台風が近づくと、特別警報が出されることがあります。
目安となる中心気圧は、沖縄に近づくものとしては910hPa以下、
そのほか本土に近づくものとしては930hPa以下。

私の記憶では、台風に関して出された特別警報は、
2016年に沖縄・久米島に近づいた台風18号の1回のみ…

今回、気象庁は異例の強い文言で呼びかけています。
 

ただ進路予想、まだブレが大きくなっています。

http://www.jma.go.jp/jp/typh/2010.html

 

きのうまでの計算値より、東から勢力を強める太平洋高気圧が勢いを増し、
西へ西へと向かわせるモデルが増えてきました。


台風が発達するほど高気圧を強める相互作用があるため、

まだまだコースは絞り込めない状態ですが、

奄美や西日本に接近すれば、

記録的な大雨・暴風・高波・高潮に見舞われるおそれがあります。

週末を迎える前までに備えをし、最大級の警戒をしましょう。


その前に差し迫っているのが、台風9号。


再び大型になり、非常に強い勢力で、
今夜、九州北部に最も接近する見込みです。
長崎県を中心に、瞬間的に50mの暴風になりそうです。
台風本体の雨雲がかかるおそれもあり、

1時間に80mmの猛烈な雨も予想されています。

9月は年間でも潮位が高く、大潮の時期にもあたるため、高潮にも警戒です。
波は九州北部地方で12m!
建物4階くらいの高さの波が襲ってくることが考えれます。


風の強まる範囲は広く、奄美や九州南部、四国も最大瞬間風速35mの予想ですから、
気を付けてください。


台風から離れている地域でも、
台風をまわる湿った南東~南風が吹き付ける斜面で、雨雲が発達しやすい状態が続く予想です。
宮崎・大分、高知・徳島県、紀伊半島、静岡県を中心に雨の量が多くなるでしょう。

関東や東北太平洋側もザッと降る強い雨に注意です。

 

そして、あすは、台風の北上とともに、
上空1500m付近で21℃の暖気が東北北部まで流れ込む予想で、
北陸や北日本を中心に記録的な高温になる可能性があります。


最低気温は、福井でなんと29℃の予想。

北陸や山陰は30℃を割り込まず、スーパー熱帯夜になるところがあるかもしれません。

日中の最高気温は、青森・弘前37℃の予想で、

観測史上最高気温となる可能性があります。
弘前の過去最高は1978年8月3日の37.0℃。
熱中症に厳重に警戒するとともに、
高温と乾燥に弱い稲など農作物の管理もお願いします。
 

さて、きのう気象庁から、天候のまとめが発表されました。

さりげなく、梅雨入りと梅雨明けの時期が修正されている地域があります。
参考までに、こちらが速報値。


 

東北北部は、やはり梅雨明けが特定なし、

つまり、夏の到来日が不明となりました。
今後、夏真っ盛りのような暑さになりそうですが…

 

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