「見つけたら電話してねー」
わが家の男子たちに見送られ、
母は在宅ワーク終了の19時半、長袖・長ズボンでいざ出陣です。
 
盛夏も過ぎようというこの時期、
息子がどうしてもセミの羽化をみたいというのです。
「セミさんがお洋服脱ぐところ、見たいんだ!」
 
暗いし、蚊に刺されるので、
探す組と息子を連れて行く組、二手に分かれる提案をしてはみたものの…
私が、一人探す組とはねぇ。
たしかに、夜道でマスク姿の男の人がうろうろしてたらアヤシイものね、仕方ない。
 
あそこなら、と狙いを定めたのは、
沼のほとりの桜の老木。
セミの好きな条件が揃っているように思いました。
 
ウシガエルの鳴き声だけが響く真っ暗闇を、懐中電灯を頼りに一人さみしく捜索。
セミの幼虫が出てきた穴、抜け殻があれば、
その付近で、羽化準備中の幼虫が見つかるはず…
30分くらい経った20時15分。
 
あ、あったー!いたいた!
連絡しようと思ったらちょうど電話が鳴りました。
「おかあさん、いま、どこー?」
おとーさんと息子も、待ちきれずに家を出た模様。
「いたよ、早く、早く!沼の前だよ」
 
ちょうどいいタイミングでした。
「ほら、あそこだよ!」
羽を広げようとしています。
 
ここで、万が一、羽が傷ついたり、落ちたりしてしまったらおしまい…
今この瞬間に、土の中の4〜6年がかかっているのです。
「がんばれー!がんばれー!」
自然と声が出ます。
蒼く透明な、美しいセミが出てきました。
なんという生命の神秘。
このまま日の出まで羽を乾かし、飛び立つ準備をするそうです。
 
実は、私はセミが大の苦手です。
あの突然、ジジジジッて動き出すのが本当に無理。
だからこそ、今まで見たことも、見ようとしたこともありませんでした。
 
でも、こんなにも繊細で美しく儚いものがあるでしょうか。
本当に感動しました。
今年の夏は、なかなか遠出に連れて行ってあげられないけれど、
近場でこんな感動を味わえるなんて!
それに夜は大人のセミはおとなしいですし。
 
見つけに行くときのポイント。
①セミの幼虫は日没過ぎから、穴から出てきます
→明るい時間に抜け殻がある場所を把握しておき、19〜20時ごろ見に行く
②セミは地中で木の根から蜜を吸って幼虫時代を過ごします
→柔らかい土で根元に穴がある大きな木を見上げ、葉の裏を探す(抜け殻探しからの経験則ですが、水辺の古い桜の木が好きなよう)
③蚊に刺されないよう対策
→長袖、長ズボン、虫除けスプレーは首、手首、足首付近の3つの首をぬかりなく
 
出てきて、羽を伸ばすまで30分弱でしょうか。
見つけると、ジーっと見入ってしまったり、
撮影で体を固定したりするので、
かなり蚊に狙われます。
私は片足首で6ヶ所ずつ、手の甲は2ヶ所刺されました(泣
 
なお、スマホの懐中電灯機能より、ダイソーの懐中電灯が役立ちました。
 
もうすぐ夏も終わりですが、夏の思い出づくりに、ぜひ。

さて、猛暑が続いています。
きょうの最高気温は、
京都で39℃、福島や前橋、甲府、奈良などで38℃の予想。
あすも最高気温は、
甲府38℃、前橋や名古屋、岐阜、京都、大阪、奈良などで37℃の予想です。
 
猛暑は日に日に落ち着いていきますが、
逆に日に日に拡大していくのが雷雨エリアです。
セミの観察は、今夜がチャンス。
 
きょう午後は山沿いを中心に、急な雷雨のおそれ。
あす午後は、上空の寒気の影響でいっそう大気の状態が不安定になり、
西日本は平野部も含めて、天気の急変に注意です。
さらに土曜日は西日本を中心に、
朝から雨の降るところがありそうです。
四国沖の渦巻き、低気圧の影響です。
午後は、関東の平野部でも雨が降るでしょう。
日曜日も広く雨が降り、
東京の最高気温はいよいよ30℃に届かない予想です。

 

そして、心配なのが、南の海上の様子です。
フィリピン付近で雲がまとまってきています。
実績として信頼度の高いヨーロッパ中期予報センターは、
沖縄近海から九州のすぐ西を通るコースを予想。
アメリカNOAAは、
沖縄近海から四国の南に進み、やや迷走しながら、
西日本にかなり接近させています。
 
いまだ日本のモデルは、台風や熱帯低気圧を予想しておらず、
まだまだ参考程度の情報ですが、
もし、発生すれば、
梅雨に豪雨被害が大きかった地域をはじめ、
影響が大きくなることも考えれますので、
今後の情報に注意です。
 
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コメントありがとうございます。
ご覧になりました?
なぜロンドンアイだけ…
ほかに動いている施設はあるんでしょうかね…
 
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