どんよりくもり空、関東から北では暑さが和らいでいます。

一方、九州では暑さが続き、熊本は30℃の予想。
復旧作業や避難場所での熱中症、衛生管理には気を付けなくてはいけません。


このあと西・東日本は、またあさってにかけて大雨になりそうです。
特に、今夜から寒冷前線の通過に伴って、
九州や中国・四国を中心に非常に激しい雨が降る予想で、
短時間で災害につながるような降り方になるおそれもあります。


心配なのが、今、専門用語で“逆位相”であること。
大気の流れが蛇行している状態が続いていて、
低気圧の進む方向に、強力な高気圧があって、動きが遅くなりがちなのです。

このため、通常、寒冷前線であれば、時間とともに雨雲は動いていくのですが、
動きが滞るおそれがあります。


九州北部、四国の瀬戸内側、近畿付近は特に警戒。
危険な地域では、明るいうちに安全な場所に移動するなど、早めの対策をとりましょう。


日中、低気圧がすぐに閉塞する(前線が“入”の形に枝分かれする)状態が続くため、
湿った南風が低気圧や閉塞点に向かって、

持続的に吹き付けるため、南斜面で総雨量が多くなりそうです。

岐阜や長野、静岡など、新たに土砂災害が発生してもおかしくありません。
さらに、温暖前線がかかる東北南部付近でも雨が強まる予想で、
これまで大雨になっていなかった地域も含めて、気を引き締めていきましょう。

関東も夜はどしゃ降りです。
 

なお、フィリピンの東に熱帯低気圧があります。

今後発達する可能性は低く、あさってには台湾の南東海上でうやむやになる予想です。
ただ、湿った空気の残骸が今後どこに向かうのか、
太平洋高気圧の勢力を強める作用はあるのか、動向に注目です。


あさって以降、前線は南に下がって、徐々に雨の降り方は落ち着きそうです。
ただ、金曜日の後半から、またも前線が北上してきます。
土曜日は広く雨となり、また雨が強まるおそれがあります。


その後、日曜日以降、太平洋高気圧がしだいに強まるにつれて、
前線はさらに北上する予想。
来週前半は、西・東日本太平洋側では、いったん晴れ間が出るところもありそうです。


このまま梅雨明けを期待したいところですが…
残念ながら、今の段階では、まだ夏の高気圧が安定して
西・東日本を広く覆う雰囲気ではなさそうです。
梅雨明けの見通しは、きょうはまだお伝えできません…

 

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