梅雨前線の活発な状況がしばらく続きます。
大気の流れが遅く、気圧配置にあまり変化がありません。
大雨に見舞われた地域に、発達した雨雲が流れ込みやすい状況が長引きます。
いったん雨が弱まったようにみえても、
あさってにかけて、ピークが数回やってきそうです。
 

線状降水帯が発生すれば、

気象庁の予想雨量を上回る雨が一気に降るおそれがあります。

 

昨夜も、鹿児島県の甑島で50年に一度の大雨となり、

けさは鹿児島・鹿屋で1時間に109.5mmの観測史上最大となる猛烈な雨を観測。

たった6時間で雨量は300mmを超え、

24時間雨量は480mmに達しました。

また、宮崎県串間市付近にも記録的短時間大雨情報が出されました。
このあと大雨の範囲は、九州南部から九州北部へと移ります。

 

すでに線状降水帯ができています。

①夜にかけて九州北部が非常に危険です。

最悪、大雨特別警報レベルが想定されます。

②夜間は、山口や広島県内など、

瀬戸内側も急な大雨に警戒です。

③あす、被害が甚大だった熊本県内で、

再び集中的に雨が降るおそれがあります。


夜にかけて、九州北部に次々と発達した雨雲が流れ込む予想です。

また豊後水道を吹き抜けた湿った空気が地形的に上昇し、

雨雲が発達しやすい山口・広島県付近は急な降水の強まりに警戒です。

あす朝は、山陰にも発達した雨雲がかかります。

 

そして、あす日中は、
今回被害が最も大きかった熊本県内に線状降水帯が予想されています。

お住まいの場所が安全な場所かどうかハザードマップなどで改めて確認し、
安全ならば自宅内での安全確保を、
危険な場合は日没前にぜひ指定された避難場所への移動のほか、
安全な親戚・知人宅等への移動も考えてください。
新型コロナウイルス感染の懸念もありますが、

今回、危険な場所にいる人は自宅の外への避難をためらわないでください。 

 

あす夜は、前線上に擾乱、小さな低気圧ができ、
あさってにかけて、西・東日本を通過する可能性があります。
小さな低気圧の通過に伴って活発な雨雲が九州・中国・四国・近畿・東海と東へ移る見込みです。 


これまで雨量が多くなっているところにさらに短時間で雨量が増えることになるでしょう。


ただ、ひとたび低気圧が発生すれば、

低気圧通過後は、湿った空気の流れ込みは落ち着く予想です。

あさってまでなんとか乗り切りたいところです。

 

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