明け方、雨音で目が覚めました。

雨上がり、セミたちがけたたましく鳴いています。


きょうの東京は、雲が多く、
気温の上昇は控えめですが、
湿度が高く、汗が乾きにくくなり、熱中症になりやすいパターン。

一方、西日本は、
強い日差しできょうも35℃超の猛暑が予想されているところが多くなっています。
熱中症、食中毒、感染症予防につとめてください。

暑さをもたらす、夏の高気圧はしばらくいすわり、
熱気ムンムンの空気も日本にとどまって日に日に暑くなります。
3連休中が猛暑のピークで、特に日曜日、
京都や岐阜、群馬、埼玉などの内陸部では、40℃近い酷暑になりそうです。


おととい気象庁から発表されたエルニーニョ監視速報では、
エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していないとのこと。
もちろん予想していた通りですが、
にわかに心配になってきたのが、
“エルニーニョモドキ”の存在。

“エルニーニョモドキ”とは、
東大大学院の山形教授が中心となって研究されたもので、
論文でも、“El Nino Modoki”と表記されます。

http://www.metsoc.jp/tenki/

通常のエルニーニョ現象なら、
南米ペルー沖の海面水温が高くなり、同時にシーソー式で
インドネシア付近の海面水温が低くなります。
しかし、エルニーニョモドキでは、
ペルー沖もインドネシア付近も海面水温が低くなり、間の太平洋の真ん中で、
海面水温が高くなるのが特徴です。

エルニーニョ現象が発生した年は、
季節変化が弱まる、
つまり、夏は冷夏、冬は暖冬になりやすいのが特徴ですが、
エルニーニョモドキのときは真逆、
夏は猛暑になりやすいというのが研究結果です。
なんとも厄介!

今年は、どうやら、このエルニーニョモドキらしい海面水温の分布になってきているのです。
前回、エルニーニョモドキが発生した2004年は、
7月に豪雨、夏は冷夏予想が一転猛暑、台風の上陸が記録的に多い年でした。
私は、テレビで冷夏予想をお伝えしていたのに、
実際は暑くなり、お叱りの声をいただいたのをよく覚えています。

もちろん、夏の天候を決めるのは、エルニーニョなどの現象だけではありません。
ただ、目先、少なくとも7月は、
夏の高気圧は強いままですから、
猛暑にはくれぐれも気をつけたいところです。

また、来週後半は、
引き続き、台風らしきものを計算しているモデルが多くなっています。
しかも、ヨーロッパ中期予報センターは2つ!
引き続き、ウォッチしていきます。

 

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15時追記

下記にコメントありがとうございました。

こちらでお答えします。

2007年に発表された論文の中で紹介されているエルニーニョモドキの年は、

1990年、1992年などです。

https://agupubs.onlinelibrary.wiley.com/
いずれも猛暑になりました。
台風の上陸数は1990年は6個、1992年は3個と決して多くはありませんが、
山口県を直撃している確率はかなり高くなっています。

http://www.data.jma.go.jp/fcd/yoho/typhoon/route_map/

これには私も驚きました。
エルニーニョモドキの年は、太平洋高気圧が東で強まって、西への張り出しが弱くなるために、

台風の西日本への影響が大きくなるのかもしれません。


なお、ラニーニャモドキは1998年で、北日本で涼しい夏でした。