週末は、あえて天気図は見ないことにしているのですが…
きょうはチェックせざるを得ない、ただならぬ状況をデータが呼びかけてきます。
休日の出来事はまたあす綴るとして、備忘録がてら専門的な内容になることをお許しください。
東北で大雨となっています。
秋田県内では1時間に100mmの猛烈な雨が解析され、記録的短時間大雨情報が出されました。
停滞する梅雨前線。
さらにその上には、雨雲の元となる湿った空気を吸い寄せる低気圧が発生。
梅雨前線は、週明けにかけて東北地方をゆっくりゆっくり南下します。
きょうからあすにかけては秋田県内、
そして、あすからあさってにかけては山形県・新潟県内が雨雲に狙いうちされそうです。
秋田県内では被害が拡大するおそれがあります。
まさに梅雨末期の大雨。
このただならぬ大雨の引き金になっているのが、海!
高い海水温です。
日本海の海面水温は25度以上あり、平年より大幅に高くなっています。
特に、朝鮮半島付近は、平年より5℃も高いという、
気象予報士生活17年のうちでもめったにお目にかかることのない色に染まっています。
棲む魚も変わってしまうくらいです!
この暖かい海水から水蒸気がどんどん補給されて、雨雲が日本海で強化、
初めての陸地となる秋田県内の山にぶつかり、上昇気流でさらに雨雲が発達しています。
これだけ、雨雲の元となる大量の水蒸気が充満していると、低い山でも容易に雨雲が発達してしまいます。
半月前の九州北部豪雨でも、暖かい海の上を渡った風が、標高1000mそこそこの背振山地にぶつかって発達しました。
そして、海面水温の高さから異様な雰囲気となっているのが、
天気図を重ねてみると、
赤で示したものが台風や台風の卵の熱帯低気圧。
このほか発達しそうな低気圧もあって騒がしくなっています。
同時多発ぶりは “五輪台風”を彷彿とさせます。
【参照:2016年8月20日】
5~7号までトリプル台風が立て続けに発生しましたが、
さらに8号までできると、4個の同時発生は、
1994年10月の台風30~33号以来、23年ぶりの珍事となります。
(先日、今年は2004年の夏と共通点が多いと書きましたが、1994年もまた2004年と似た猛暑の年でした)
今のところ、台風はすぐに日本に影響するものはありませんが、
高波が押し寄せたり、複数の台風で大気の流れが読みづらくなり、
結果、進路予想もブレやすくなります。
夏休みシーズン、旅行などにお出かけの際はお気をつけください。
このブログでも影響度合いがわかりしだい随時お伝えしていきます!