雲画像をみて、驚きました。

台風14号がおそろしいほどに発達しています。


中心気圧890hPa。(数字が小さいほど強い)

3年前にフィリピンを襲ったスーパー台風と呼ばれた
あの30号でさえ895hPaでしたから、
いかに危険なレベルかおわかりかと思います。
記録的勢力といっていいと思います。

今後、台風14号は、大陸で衰退する見込みです。

それ以上に
日本にいる私たちにとって心配なのは、台風16号。
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気象庁の5日間予報でも、上陸の兆し…


3連休の後半に予定のある方は、

反れたらラッキーくらいに思って

計画の変更を見積もっておいたほうがいいでしょう。


そして、雲画像をみて、はっと息を飲んだのが、
台風16号の東側(画面右)の雲。
台風になりたがってる雲が行列を作ってます。


気象庁発表の予想天気図でも、あす熱帯低気圧が発生しているではないですか!


今年の前半、
台風が少ない、少ないと言われてきながら、
ここにきて、台風の発生数は、平年にすっかり追いつきました。


このところの台風量産工場はどういう仕組みになっているのか考えてみました。
(ややこしいので、興味がある人以外はスルーしてください)

こんなに急激に台風が増えるのは、理由は1つではありません。
要因を3つに絞ります。

①MJO(マッデン・ジュリアン振動)が太平洋に移動
②ブロッキング高気圧の南側で対流活動活発
③寒気の渦が太平洋上に南下

すみません、まったく意味不明なことを書いてしまいました。

①MJO
MJOについては、下記にも書いています。
参照:2013年10月7日
熱帯域は周期的に、雲が発生しやすい状態になっています。
あるときは、太平洋上で、
あるときは、南米~アフリカで、
あるときは、インド洋で…
活発なエリアがグルグル移動します。
この雲が発生しやすいエリアが太平洋域に差し掛かると、
台風がポコポコできるのです。

8月は、グラフが真上の太平洋エリアをうろうろ。
つまり、太平洋で対流活動が活発だったので、雲が育ちやすかったんです。
が、9月に入ってからは、活発なエリアはインド洋に移っています。

②ブロッキング高気圧の南側
高気圧は下降流です。
このため、高気圧の隣では、
高気圧から吹き出した下降気流が、上昇気流にかわり、
低気圧が発生しやすくなります。

ブロッキング高気圧が日本の東にいすわったことで、
その南側で低気圧が発生しやすくなりました。
わりと日本に近い場所だったため、日本に接近台風が多くなったのでしょう。
図の青い部分は、対流活動が活発=雲が発生しやすいエリアです。

③寒気の渦の南下
実は、8月頃からずっと気になっていたのが、
太平洋上に、ほぼ毎日、『C』のスタンプを見つけることです。
『C』とは、COLDつまり寒気です。
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ある研究では、寒気の南側では台風が発生しやすいという発表があります。

1988年の夏にも、太平洋上に度々
寒気の渦が南下して、
比較的高緯度で台風が発生するという似た現象がありましたが、
1988年も今年も、エルニーニョ現象の直後にラニーニャ現象が発生するという共通点があります。

巡り巡って、この寒気を北から太平洋上に運んできたのも、
ブロッキング高気圧かもしれません。


台風発生の条件が揃うピークは過ぎたものの、
いきなり線をひいたように、発生がピタリと止まるわけではありません。

今、日本の南で台風が発生すると、
カーブを描いて日本に接近しやすい傾向にありますから、後追い台風も心配です。
(解析データは気象庁より)