台風9号は強い勢力のまま、
午後0時半頃に、千葉県の館山市付近に上陸しました。

関東上陸台風は11年ぶりのことです。


都内でも、1時間に100mmを超える猛烈な雨が降ったり、

各川で増水がみられたり、

道路が冠水したり、と深刻な状態が続いています。


気象庁の雨雲レーダーをみればわかるとおり、

台風の中心、目のあたりは、雨雲がありませんので

一時的に雨が弱まっても、後ろ側の雨雲が控えていますし、

風の強い状態も続きますから、

まだまだ午後も油断禁物です。

 

また、今回は埼玉や東京の西側の山沿いで大雨に見舞われています。

上流で降った雨が流れ込んで、

小さな川は、このあと増水、氾濫するおそれがありますから、

しばらく、川には近づかないようにしてください。


台風9号は夜にはさらに北へ進み、
北海道は、7号、11号の被害から日が経たないうちに、
さらなる大雨のおそれがあります。

今回の台風9号は、
勢力を強めながら、関東に接近・上陸するという異例の発達を見せました。

台風発達のエネルギー源は、暖かい海水。
海面水温をみると理由は大きく2つありそうです。


①バージンロード
これまでの台風は日本の東側を通っていました。
台風9号のルートは、まだどの台風も通っていない海だったため、
海水がかき混ぜられることがなく、海水温の高い状態が維持されいました。
②黒潮
関東のすぐ南で、高温の30℃以上のピンクのエリアが東へ突き出すように広がっています。
同時に、海上保安庁の海流の様子をチェックしてみると、暖流である黒潮の流れと一致しています。

この高海水温が、台風9号にエネルギーを与えることとなりました。


そして、トリプル台風のうち、残る台風10号ですが、
現在西へ進み、迷走中。
ただ、来週の週明けに、再び本州に近づくシナリオも計算されています。

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海水温も高く、発達することでしょう。
まだ予定は未定な範囲ですが、
スケジュールを組むときは十分お気をつけください。

なお、長い目で見ても、心配なのが、今シーズンの大気の流れ。
梅雨明けが遅かったように、
今年は、夏の高気圧の中心が東にずれていて、
なかなかしっかり日本を覆いきれません。
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この流れをしばらく引きずり、
日本付近は、向こう1ヶ月も、
ぽっかり、高気圧と高気圧の山の合間の川のような状態。
台風が発生したら、こっちへおいで、と呼び込むようなルートが作られてしまっています。

目先、台風9号の影響を受ける今夜の北日本、
そして、台風10号がどのような進路をとるのかが心配ですが、
秋にかけて、台風の発生にも注意しておきたいところです。


さて、最後に、少し心が和むような写真を。
こちらはきのう夕方の空。

西側は雲が切れていたので、富士山のシルエットが綺麗に見えました。

さらに…昔から吉兆とされる虹色の雲。
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水曜日の台風一過の空に、
彩雲を見つけたばかりですが、
今回は“幻日(げんじつ)”のようです。

違いは、出現する位置で判断できます。
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太陽の周りにできるわっか上の左右、太陽と同じ高さにできていれば、幻日ですよ。

“幻日”…幻の太陽は、七色でした。