きのう、きょうと、九州ではとんでもない大雨となってしまいました。

熊本県甲佐町で観測されたのは、
日本の歴代記録となる1時間に150.0mmという猛烈な雨。
1時間に60mmでも、滝のようなゴーゴーとした降り方で車のワイパーがきかなくなるくらいですから、

150mmとはさぞおそろしいものだったでしょう。

気象の歴史に残る1時間雨量は、

①千葉県・香取 153.0mm (1999年10月27日)

①長崎県・長浦岳 153.0mm (1982年7月23日)

③沖縄県・多良間 152.0mm (1988年4月28日)

④高知県・清水 150.0mm (1944年10月17日)

で、今回ワースト4位タイに入ってしまう激しい降り方でした。


なぜ、こんなにもひどい大雨が降ってしまったのか…。

まず、大きく見ると、梅雨前線上の低気圧が通過したこと。

この低気圧に向かって雨雲を発達させる暖かく湿った空気が南西方向から強く吹き込みました。
空気の流れというのは、水の流れと一緒で、低い所に移動するのです。

さらに細かく見ると、地形の要因があります。
熊本県というのは、西に湾が開け、東側に高い阿蘇の山が控えている地形。
南西から風が吹き込むと、阿蘇山の西側の斜面を風が上り、
上昇気流が強まって、雲が急発達してしまうのです。


南西方向に湿った風が吹き込む海、その北東に雨雲を発達させる山をたたえる地形は、
特に大雨警戒エリア。
2009年山口県防府市の豪雨、2014年広島豪雨が記憶に新しいほか、
四国山地や紀伊半島、伊豆半島などが雨量の多い地域であるのも同じような理由です。

梅雨はまだあとひと月ほど続きます。

似たような条件が揃ってしまう地域では、大雨の可能性が出てきます。

今年は台風シーズンが遅い分、大雨への心構えができていない方も多いかもしれません。
今一度、自分たちの住む地域のハザードマップ(洪水・土砂崩れ)などを確認し、
大雨が降ったときにどう対応すべきか、話しておきたいものです。

また、お子さんたちに、
家の周りの危険な場所には近づかないことを、
日ごろから伝えておくことも大切ですね。