昔の友達。 | 脊髄腫瘍と暮らす生活

脊髄腫瘍と暮らす生活

2009年12月に頸髄髄内腫瘍の摘出手術を受けました。
手術前・入院・退院後の生活を書いています。


以前、勤めていた会社で、仲良くしてくれたヒトミ(仮名)。


彼女はいつも顔色が悪かった。

廊下の向こう側から彼女が歩いてくると、いつも右側に身体が傾いているから、すぐにヒトミだとわかった。


痩せすぎの体型、眉間に寄せたシワ。

笑うと、少し挑戦的な顔になる。



ヒトミは、私の2歳年上で、会社では2期後輩だった。



初めて、2人でご飯を食べに行った時、ヒトミは言った。


「あたし、素数が好きなんだ」




そして、


「人より、4年多く数学勉強してるんだよね」


と言った。




彼女には社内に敵が多かった。


男性社員は分かりやすい敵意と嫉妬を向けていたし、女性社員は彼女を怖がっていたし、ヒトミ自身も人を遠ざけているように見えた。



必死に自分を守っていただけかも知れない。


しばしば、自分を守るために、他人を攻撃した。




「生意気な女」


「頭良くても、性格がアレじゃ…」


いろんな人がヒトミのことを悪く言った。



私が会社を辞める時、ヒトミは「寂しい」と言って泣いてくれた。

でも、今はまったく連絡をとっていない。




なんだか、訳もなくイライラしていたら、ふと、ヒトミのことを思い出した。


ヒトミはイライラしてることが多かった。

いつも誰かの文句を言っていた。


あれから、10年以上経った。

今の私なら、彼女が抱えていた不安とか、寂しさとか、理解してあげられるとは思わないけど、「よしよし」と頭を撫でることくらいはできそうだ。



でも、彼女も私と同じ分、歳を重ねているのだから、現実に「よしよし」する必要はないと思いたい。




今日は、とりとめのない話を書いてしまいました。

読み流してくださいφ(.. )