(前回の続きです )
仮設住宅の寄合場が私の仕事場でした。
食べに来てくださった住民の方に、
飲み物や、野菜などをお持ちする係です。
だから、最初は「こんにちは!」とか、
「暑くてびっくりしました!」とか、
本当に普通の話をしていました。
するとそこへ、年配のご婦人がいらっしゃいました。
でも遠慮がちに入口に立って、中へ入ろうとしません。
「こんにちは!どうぞ、どうぞ!」と中へお招きして・・・。
焼きそばと飲み物をお持ちして、
一度は自分の持ち場に戻りました。
でも・・・
私はすぐにご婦人のそばに戻り、隣に座りました。
「そろそろお昼ですね」と、さりげなく。
グループで楽しそうにおしゃべりをするおばさまたち、
畳を転げまわる子供たちの笑い声が響く中、
私と、ご婦人の二人きりの会話が始まりました。
*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆
「うちね、まだ主人が見つかってないの」
そう話を切り出して・・・
思いつくままいろんな話をしてくれました。
私はずっとそれを聞いていました。
ずっと、ずっと・・・
*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆
しばらくして、もう一人ボランティアが合流。
「一人でいると悪いことばかり考えちゃうの」
私は、それをよくないとか、つらいですねとか、
言うのもちょっと違う気がしていました。
ご婦人もそれに対して答えを求めている風でもなく、
思い出話や、震災当時の話などを続けていました。
私たちは、ずっと話を聞いていました。
*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆
「とても楽しかった・・・すっかり長居しちゃったわ」
ご婦人の穏やかな笑顔が忘れられません。
その後ろ姿を見送る私の胸は暖かくて、
それどころかとても熱くて、いろんな想いがこみ上げていました。
