マリーベルをとうとう、読み終えました


最後の3巻は、割とあっという間に読んでしまいました


後半はすごく内容が濃かったです


マリーベルとロベールの心の食い違いがもどかしく、そして最後の衝撃的な結末に、悲しくて泣きました


最後は、あまりにもたくさんの人が死んでしまって、ハッピーエンドとも言えない気がするけれど


たくさんの人たちの想いをたくされていきていくふたり


その重みが半端じゃない


一人一人の生ききれなかった青春の時を、マリーベルとロベールに最後託すような、終わり方にじんときました


悲しいのと、切ないのと、胸に迫ってくる思いがあって、しばらくその余韻に浸っていました


たくさん、本当にたくさん好きなシーンがあって、とても語りきれないです


でもいくつか載せてみようとおもいます








一つは、切なく心に残った場面です




マリーベルについて行ったジュリアン


でもマリーベルと共に過ごすうちに、(マリーベルの初恋の人であり、ジュリアンとそっくり)なロベールの存在が、影を落としていきます


いちどきは、結婚しようとまでする二人だけど、自分をロベールと間違えられたり、マリーベルの心にロベールしかいないことを思い知らされることが起こり、ジュリアンの思いが爆発します

でも、マリーベルは、初恋の人ロベールの絵皿を割ることもできず、ただ泣いて・・・


そんなマリーベルを見てジュリアンは、たまらずー



ああジュリアン切ない(;_;)


最後までロベールと比べられちゃうし


この時のジュリアンの涙がすごく痛くて、心に刺さりました


この後ジュリアンは、傷心のまま、マリーベルを残して旅立ってしまうのです


ジュリアンにも幸せになってほしかったな


なんて、やっぱり思ってしまいます

   




そして、この少し後のシーン


ジュリアンの弟フランソワが、貴族として追われて、マリーベルの住んでいたところに匿われたときのこと


フランソワが、思わずマリーベルを抱きしめてしまうシーンがあります

  


見守ることしかできないと言っていたフランソワが、示した珍しく積極的なアプローチで、好きな所です


そして、この後、このフランソワの存在が、革命で、たくさんの人が殺されたりしていくなか、私にとっては、ほっとする存在になったりしたんです




あと、この辺りでフランソワがマリーベルにとても大切なことを気づかせてくれます


それは、マリーベルがロベールのためと言って、愛し愛されていながら、無理矢理にでも別れたことが、ロベールにとって、実は1番酷だったとしたらーということ

これ、もっと早くに気づいて欲しかった 


そしてこれを知ったマリーベル、さぞショックだったろうと思うのです 


無理にでもそうして別れて耐えてきた、自分の今までの苦しみは何だったの?と思うような


でも、本当にフランソワの言う通りだったと思う


ロベールは、家を捨てても、と思っていたのだから


そんな、結局ほかの人を愛することができない、何にも増して強い絆で結ばれた二人ならなおのこと、身を引くという選択肢は、ロベールにとっても、マリーベルにとっても1番辛かったでしょう


自分からその道を選んだ事をマリーベルは、後悔したかもしれないですね


そのおかげで出会えたたくさんの素敵な人たちがいるから、それはそれで、よかったのかもしれないけれど・・・


でも、それはロベールと後々ちゃんと結ばれるから言えることかな・・・


でも読者としては、上原きみこ先生が、マリーベルを、フランスに渡り、たくさんの素敵な人たちがでてくるストーリーに描いてくださって、良かったとも思うのです




とにかくやっと、ロベールの気持ちが分かりかけるマリーベル


そして、やがて青いバラと名乗る人が出てきて、殺されそうになる貴族たちを助けてくれたりします


そんな頃、とうとうマリーベルは、ロベールと再会しちゃうんです


再開するシーン




ロベールとの再会も、好きなシーンの一つ


やがて、マリーベルは、青いバラの一味と勘違いされたことが元で、イギリスへ逃げることになるので、舞台はいったんイギリスへ移ります


そして、マリーベルとロベールは婚約し、ランバート家の人や、世間にもそれが知られるように 


でも、出会った時の二人の気持ちに偽りはなかったんだけど、その後真っ直ぐハッピーエンドとはならないのです


いろんな誤解が重なり、自分を疑ってしまい、荒れるロベールと、マリーベルは、婚約を解消してしまうのです


そしてまた、マリーベルは、再びフランスへー(イギリスでの出来事もいろいろあるのですが、軽く触れるだけにしておきますね)



そして、フランスでは、革命のため、たくさんの人が、処刑され、死んでいきます


ジャンヌも、その一人


かつて、ジャンヌに復讐したいと強く願っていたマリーベルさえも、ジャンヌに死んでほしくないと願います


そして、最後まで、コメディーフランセーズの女王として生きて、立派に死んでいったジャンヌを見て、悲しくもそれが嬉しかったマリーベル



ジャンヌは、最後まで,コメディーフランセーズの女王としての誇りを忘れませんでした



・・最後らへんは、いろんな人が亡くなってしまうし、悲しいことが次々と起こって辛いことも多いです




でも、やっぱり最後のジュリアンの行動、それが1番心に残りました


ジュリアンがしたこと、これは是非読んで知って欲しいです    


本当に衝撃でした


ジュリアンも最後まで、マリーベルしか愛せなかったのかもしれないです


そして、やっと本当に結ばれる、マリーベルとロベール!!


そうして、この物語は、幕を閉じます






この物語を読み終えて、今思うことー



マリーベルを愛し、限りある時を精一杯生きた、若者たち


その若者たちの、凝縮した生き様を上原きみこ先生は、1番描きたかったのかな、と思いました


ひょっとするとこの物語の主人公は、マリーベルではなくて、マリーベルのために全てを賭けた、男たちだったのかもしれない、その思いの全てが、マリーベルと言う少女を中心にあったのかな、なんて想像してしまいます


とにかく脇役がみんな素敵・・・


みんな大好き❤️


オル窓もすごい悲劇だけど、私は、魅力的な登場人物に惹かれて読むのですが、そう言うところは、マリーベルと似てるのかもしれません


マリーベルも、やっぱり周りの素敵な人たちに会いたくて読むんです


読むたびに、そこで、凝縮された青春を生きた人たちー


ロベール、レアンドル、オリビエ、フランソワ、ジュリアン、サンジュスト・・


マリーベルに関わり、彼女を愛し、歴史に翻弄されながら、精一杯生きた、あの魅力的な人たちに会うことができるからー


その生き生きとした、それぞれの生き様を見るたびに、心にいつも生きる勇気と、元気をもらえるのです


マリーベル、この素敵な世界は、ずっと、私の心の宝物です







またいつか、この素敵な世界を尋ねたいです


感想は、これで終わりにしたいと思います


またいつか、書くこともあるかもしれませんが・・・


読んでくれてありがとうございます^ - ^


では♪