こんにちは^ - ^


パイシェルです


長い冬を毎日のように読んで、いよいよラストになりました


とうとう読み終えたので、その感想を書きます







・・ローラたちは、厳しい冬に備えるために町へ引っ越しします


町といってもできたばかりの小さな小さな町です


そして、数えきれないほどの猛吹雪が、街を襲ってはさっていきます


吹雪は突然にくるので、外仕事さえも危険なほどでした


そんななか、汽車がとまり、立ち往生して、街の食料は尽きていきます


厳しい状況のなか、ローラたちは家族で力を合わせてなんとかやりくりし、吹雪に立ち向かいます


石炭がなくなり、部屋を温めるために父さんは、干し草をよって固くして、干し草棒をつくります


父さんだけでは間に合わないので、ローラも手伝い、干し草をよっては、冷たくなった手を温めに来て、また干し草をよりにいく・・


そして、小麦粉が尽きて、わずかに残ったそのままの小麦を、母さんにメアリー、キャリーはひたすらにコーヒーひきでひいていく


それでも家族みんなのパンを作るには、交代しながら、ずっとひいていなくてはならない


そんなこんなで、みんな疲れ切っていきます


明かりを節約するため、夜は早めに休み、そして荒れ狂うものすごい吹雪の音が、何日もたえずなり続ける中、生活しなくてはならないー


そして、汽車はなんと春まで通さないことに決まったという知らせ


この知らせを聞いて、みんなすごいショックをうけます


いつも落ち着いてる母さんも、激しく動揺します


父さんは母さんの肩に手をやり、いいきかせます


「もう一ヶ月以上も汽車は来ていないじゃないか。だから、これからだって、やっていけるだろう。あと一月で二月だ。二月は短い。三月になれば春だ。」


そういって母さんを元気づける父さん


でも明らかに食料はたりない


そうして、さらに耐えなければならないローラたち


本当に厳しい状況で、吹雪の音にみんな精神的にもまいっていきます 





こんな感じの状況です





でも、そんな辛い中


ローラたちは、不平不満をいったりすることさえ、しないように努力していました


母さんは、「今あるものの文句をいってはいけません。いつも、それがあるのを幸運だと思うようになさい。」ってローラに言うんです


そして、ローラも、はいと答えるの


そうして、一生懸命耐え抜こうとするんです




このシーンをみて、この姿勢が大事なのかも、と思いました


今あるものに満足する、難しいけど、こういう状況に耐えるために、とても大切なことなんだろうな


辛いだろうに、みんな一言も愚痴を言わず、耐え続けて家族みんなで立ち向かう姿を見て、かえって、私の悩みなど、悩みのうちじゃないなと、辛いシーンなのに励まされました


そうして、厳しい状況でも、やっていけるように、干し草棒とか、ボタンランプなど、色んなアイデアを試すところもすごい生活の知恵ですね


父さんのバイオリンさえ聴けなくなっても、みんな気持ちを明るくするために歌を歌い、詩を暗唱したりします


ローラたちの家族としての結びつきが強かったのも、みんな団結して耐えぬくことが出来た理由の一つかも、と思いました


 



そして物語は、このままでは小麦がなく、飢えてしまう人たちのため、いつ襲ってくるかわからない吹雪と吹雪の合間を縫って、小麦探しの旅に出る少年たちの話になります


町より南か南東に、30キロくらい行ったところに小麦を収穫して、そのまま農地小屋で暮らしている人がいるという噂があるだけ


その情報だけで、小麦探しにいこうというんです


それは、本当にとても危険な旅でした


雪で目印となるものは、ほとんどなく、スルーの草の上を通っては、そりや馬が落ち込んで、また、上に上がるのに大変な苦労だったし、途中で猛吹雪が突然やってきたら、おそらく助からない旅ー


それでも、街の人たちのため、旅に出るアルマンゾとキャップガーランド


そして、励まし合いながら進む2人


この辺、すごくはらはらしながら読みました


そうして、大変な苦労をして、やっと農地小屋をみつけ、小麦を手に入れて帰ることに成功します


奇跡とも言えるくらい、すごいことだと思う


そのおかげで、町の人たちみんなの命が助かったのだから


その旅に出たアルマンゾは、後にローラの夫になる人なので、この体験は、後にローラがアルマンゾに直接聞いたのかもしれません


ともかく、これでみんな飢えから救われます


でも、まだ吹雪の日々は続きます


そしてここで、今回心に残った場面があります


毎日毎日、寒さ、風、暗闇、家事、そしてパサパサの黒パンを食べること、そして寝ること、それだけの毎日


夏なんてものが、くるとは思えず冬がいつまでも続く気がするローラ


ある時、吹雪の音が聞こえる中、母さんが食事の用意をしているときの場面




「ぜったい負けるもんか!」

とうさんがいった。

「ほんとに、とうさん?」

ぼんやりした頭でローラはへんなことをいってしまった。

「負けるもんか」とうさんがいう。 

「いずれきっとやむんだ。しかし、わたしらは負けない。やられてたまるもんか。決してあきらめないぞ。」


それを聞いて、ローラの心はぽっと暖まった。


ほんのぽっちりだけれど、はっきりと暖かさを感じた。それは暗闇に灯る、小さなともしびのように、ゆるぎなく光り、薄暗い明かりではあったけれど、どんな風もそれを消すことはできない、決してあきらめない光だった。





父さんにこう言われて、ローラの消えかかっていた心の火がまたともります


それは、弱いけどはっきりとローラの心に残りました


絶対あきらめないということは、希望を捨てないということ、そしてそれは生きるために必要なものだと思います


父さんの強い言い切った言葉をきいて、ローラは、耐え抜けるかもしれない、そういう希望が湧いてきたのかもしれません


このシーンを読んで、私も心温まる思いがしました


心強くいられれば、どんな辛いことにも耐えて行けるのかもしれないですね




そうして、やっと氷の溶ける音がして、やっと春がやってきます


長いこと待ち望んだ汽車が来て、次々に幸せを感じることが待っています


春が来たーそのことが、これほど人々を喜ばせるんだな、と初めて知りました


生きる意欲を沸き立たせるような


春には、そんな力があるのかもしれません


ローラたちは、最後に父さんのバイオリンに合わせて、みんなで歌を歌います


こんな歌です






人生は謎に満ちたもの


いろんな人に会うけれど


みんなうかない顔ばかり


けれど それもいつかは 喜びに輝く


この世にはいいことがたくさんある


わたしたちにいきわたるだけのいいことが


でもだれもが思っている


自分にはいいことが少なすぎると




くよくよしたってしかたない


意思さえあれば 道は開ける


明日は日が輝くかもしれない


たとえ今日は曇っていても




ただ座って ため息ついて


それでほしいものが手に入るわけがない


できない!といってむやみにわめくのは


臆病者だけ


人生のけわしい山を一歩一歩踏みしめて


ひたすら登るのみ


いっしょうけんめいやっていれば


がんばれる 意思さえあれば




くよくよしたってしかたがない


意思さえあれば 道は開ける


明日は日が輝くかもしれない


たとえ 今日は曇っていても






皆んなで誇らしげに歌ううちに、長い冬の恐怖も苦悩も音楽にのってどこか遠くへ行ってしまったようだと、ローラは思いました



春が来たのです









読みながら、私の心にも春が来たような気がしました 


ローラたちの喜びを共に味わって、私も、幸せな気持ちになりました


こんなに長くて辛い冬、でも、家族皆んなで力を合わせて耐え抜く姿、また、生きる喜びを取り戻す姿を見て、どんなに長い冬もいつかはおわる、どんなにつらい状況も、いつか終わるのかもしれないと思い、そして、家族皆んなで立ち向かうからこそ、この物語は素敵なんだなと思いました


そして、今あるものがどれだけありがたいかも・・


食べるものがあって、暖かい我が家で過ごせることとか、本当に当たり前じゃないって、教えてくれます



ローラたちが経験した、この冬は、本当に辛くて長い冬だし、厳しいことがたくさんだけど、私にとっては、また読みたいなと思う、なぜかとても魅力的な「冬」なのです☆