ちょっと前にモモを借りておとといくらいに読み終わりました


私がこの物語を本で読んだのは12歳よりももっと前だったような気がします


だから実に10年以上はたっていることになります


ほんとにかすかな記憶しかなくて、でもその内容は鮮やかに心に残っていて、言葉としては覚えていなくても、その物語が言わんとすることは私の心に刻まれていたような気がします


でも、もう一度読んでみるとああこんな言葉だったのかと驚くほどにたくさんの発見があって、とても楽しく読むことができました


この物語の神秘ともいえる素敵な雰囲気も存分に楽しみながら、私はモモの世界に浸りました


今日はその本の中から印象に残った言葉をいくつか載せておきますね^^


まずは、モモが人の話を聞くことのできる子だったと述べられている箇所です


こんな風に書かれてあります


「小さなモモにできたこと、それはほかでもありません、あいての話を聞くことでした。なあんだ、そんなこと、と皆さんは言うでしょうね。話を聞くなんて、誰にだってできるじゃないかって。
でもそれは間違いです、本当に聞くことのできる人はめったにいないものです。
・・・彼女はただじっと座って注意深く聞いているだけです。その大きな目は相手をじっと見つめています。すると相手には、自分のどこにそんなものがひそんでいたかと驚くような考えが、すうっと浮かび上がってくるのです。」


私も最初の時はそれくらい自分にもできる、と思っていました
でも意外とこれが難しいんです
相手の話を聞いているうちに自分の話をしだしてしまったり、だんだんほかのことに興味が向いてしまったり・・
相手の目をまっすぐに見て、まっすぐに聞いてくれるモモ。
そんなモモにはこんな才能もあったようです
近くの箇所ではこう書かれていました



「モモは犬や猫にも、コオロギやヒキガエルにも、いやそればかりか雨や、木々にざわめく風にまで耳を傾けました。
するとどんなものでもそれぞれの言葉で、モモに話しかけてくるのです
・・モモはよく一人で長い間、古い劇場の大きな石のすりばちの中に座っていることがあります。頭の上は星をちりばめた空の丸天井です。こうしてモモは、荘厳な静けさにひたすら聞き入るのです。
こうして座っているとまるで星の世界の声を聞こうとしている大きな大きな耳たぶの底にいるようです。
そして、ひそやかな、けれども壮大な、えもいわれず心に染み入る音楽が聞こえてくるように思えるのです。」


とても美しい言葉と情景で・・最初に読んだ時にもとても憧れました
やがて物語を読んでいくと、この音楽とは、太陽や月や星が、各々のほんとうの名を告げて、モモに語りかけているようなそんなメロディーだったのです


その場面の描かれ方もとても美しいです
その場面についてはまた後ほど触れますね


そのほかにもたくさんいい言葉があります


たとえば、物語に出てくる大事なキャラクターの一人、モモの親友のベッポおじいさんの言葉も


彼は道路掃除夫でしたから、道路を掃くことをたとえにして、こう語りました



「一度に道路全部のことを考えてはいかん。わかるかな?次の一歩のことだけ、次の一呼吸のことだけ、次の一掃きのことだけを考えるんだ。いつもただ次のことだけをな。すると楽しくなってくる。これが大事なんだな。楽しければ、仕事がはかどる。こういう風にやらにゃあだめなんだ。」



すごく実用的な役立つ言葉です


他にも、時間についてこんな風に書かれていました


誰もが知っている通り、その時間にどんなことがあったかによって、わずか一時間でも永遠の長さに感じられることもあれば、逆にほんの一瞬と思えることもあるからです。
なぜなら、時間とはすなわち生活だからです。そして人間の生きる生活は、その人の心の中にあるからです。


なるほど、と深く考えさせる言葉でした


その人の心に余裕のない時、心が楽しい時では時間の進み方が違いますよね


時間とは生活、そして心の中にあるもの・・・


なんだか素敵だな・・・



そしてこんな言葉も


「人間が時間を節約すればするほど、生活はやせほそって無くなってしまうのです。」


作者は無駄な時間など一つもないよ、一つ一つに意味があり、意義があるだからそれぞれを大事にしなきゃいけないんだよと言いたかったんじゃないでしょうか


それに作者は機械的なお人形やロボットよりも想像力を働かせて、遊ぶことのほうが子供たちのためになると感じていたようです


モモにもこの機械的なお人形が灰色の男から手渡されたりしますが、モモは受け取りません


いずれ飽きてしまうからです


それに友達と遊ぶほうがずっと楽しめます


私の場合に当てはめると、ゲームなんかがそれかな・


程よくやる分にはいいかもしれないけど、今ははまりすぎてしまってます


これも時間を奪われているそういう状況を自ら作り出してしまったのかもしれません


もっともっと有意義な、人間らしい時間を作りたいです


まだお話ししたい言葉があるのですが、まだまだ続くので今日はここまでにしますね


モモ・・この本はとても考えさせる本です


機械があったら読んでみてください


では!