生徒諸君!で有名な庄司陽子さんの漫画に、虹の航路というものがあります。
最初の入りだけざっと説明すると・・こんな感じです。
琴の伝統ある、本家、雪村の家に生まれた郷(さと)(女性)は、母に雪村流の家元に育てられました。
しかし、郷は自分の生き方に疑問を持っていました。
「自分は琴の家元、ただそれだけのために生まれたのか」という問いに、母は、「あたりまえ、
私は郷をそのために生んだのです。いまさら何を言い出すの。」という。このままでは私はほかの生き方をすることもできない・・私は人形・・。
やがて郷は妹尾(せのお)明(あきら)という男性と出会い、男性に恋するようになります。
しかし、母に婚約者も決められて、結婚させられそうになります。それで郷は明と共に生きる道を選び、駆け落ちします。
それから二人には子供、摩野(まの。女)が生まれます。そして4年がたち、二人目を産む時に、郷はもともと虚弱な体なのですが、無理をして二人目を産み、そのままなくなってしまいます。
そして、郷の母は明を責め、郷に生き写しだった摩野を、京都に連れていってしまい、家元になるよう育てていくのでした。
そして琴によって離れ離れになった姉妹、母の身代わりという宿命、そして、それぞれの恋愛と、生き様が描かれている・・・そんなお話です。
主人公は、後に生まれた二人目の女の子美音(みね)です。
美音も郷もみんなこのお話の中の人はみんな一生懸命で、真剣で、とてもいい人ばかり。
とくに私が語りたかったのが、(ネタバレあります。見たくない人は見ないでね。)美音の幼馴染で、幼い頃からずっと美音を愛し続けつらい時、依然として美音が他の人を好だったとしても、支え続け、そして、最後には愛が通じる・・そんな役です。
この、武(たける)という男の子の言葉がぐっと来ます。
武に美音が自分のどこが好きなのか、聞いた場面~
二人とも高校生。物語の終盤です。
美音「武ちゃん、あたしが好き?」
武「ああ」
美音「どこが?」
武「みんな」
美音「うそ。・・ねえ、髪の毛伸ばそうかな。どう思う?」
武「どっちでも」
武の返事にちょっとふくれる美音を見て、武はくすっと笑って、
武「君はまだわかってない」
美音「なにを?」
「僕が君のすべてを好きだってことをさ。」
「だってそんなこと・・ほかにいくらだって素敵な人はいるのに。」
「誰もいない!」
「妹尾美音は一人しかいない!」
・・・これを見て、くうーっとなりました。
一生に一度でいいから言われてみたい。
ここが、この作品の一番好きなところです。
ぜひ、読んでみてほしい^^
いい作品です。