ずいぶん間が空いてしまったけれど、感想が書けそうなので今書きます


二人の王女後編です


前回書いたところでは、オリゲルドがラストニアの敵国、エリンワルドへアルディスの身代わりに・・・(ほんとは策略です)なっていくと決めて、皇太后やアルディスと対面した場面、そしてやりあいましょうよ存分に・・とマヤに合図を交わしたところまででした


今回は・・いよいよオリゲルドが、本性を見せていきます


亜弓さんのすさまじい演技のオンパレード・・・




マヤが役に入り込んで、熱く演じる場面なども・・


では行きましょう^^




敵国、エリンワルドでは・・


「オリゲルド王女だと・・・?私の妃になるというのは・・陰気な痩せ細った女というではないか・・」


とアシオ王子が不満を漏らしている


人質と思えばよいといわれてしぶしぶうなずくも不満たらたら


そこへやってきたオリゲルド・・


現れたオリゲルドを見て、観客も、そしてマヤも、ドキドキ、マヤ「素敵だわ・・素敵なオリゲルドだわ・・」


ドキドキのシーン・・


オリゲルドは、突然、今までの仲間、侍女たちなどを牢につなぎ、新しい侍女をとエリンワルドの国王に申し付けます


そして、今の自分の立場のことをどう思っているのかと聞かれ、人質だと考えている・・けれど自分はここで死ぬことはない・・


なぜなら今戦争するのはエリンワルドにとって負担になること、そして自分はラストニアの第一王女で第二王位継承者であること、自分を殺すなら、マイナスになることを告げます


貫禄のあるオリゲルド・・


それがエリンワルドの国王に気に入られます


オリゲルドはよい待遇を受けます


そしてそれから半年がたち・・


ラストニアは内政が不安定な状態のまま、ハーランドと戦・・


アルディス「どうすれば戦を終わらせることができるかしら・・・?」


オリゲルド「どうすれば戦を長引かせることができるか・・?」


そして亜弓さん(そうこれは私とマヤ、あなたとの闘い・・私は今オリゲルド・・私の中にオリゲルドが宿る・・私の中にオリゲルドが生きている・・!)


生き生きした亜弓さん、演じるほんとうの楽しさを知っているところです


演劇のこういう楽しさを私も知りたい・・・なりきるのでなく、なってみたいです


そして、グリエル大臣を前にして・・オリゲルド(この男をうまく利用することだわ)


なんかもう、怖いくらいなりきってる感じ・・


マヤも好きだけど、亜弓さんの演技ではこの時の二人の王女の演技が私は一番好きかもしれない・・


つぎ、アルディスが街へ出て、乞食たちに触れる場面・・


自分に寄ってくる乞食たちをはねのけたときに、嫌悪の表情が浮かんで、次に罪悪感が浮かぶ・・なりきっているマヤです


そして、オリゲルド「そうよオリゲルド誰を信じてもならない誰を愛してもならない・・どんなことがあっても!この世に信じるものなど誰もいやしない・・なくてもいい・・なまじ人を信じるとこの身が危ない・・アルディス・・どうしてだろう今あの子のことを思い出した・・・今にその言葉を後悔するときが来るわ・・・


寂しそうなオリゲルドの顔・・・


なんだかこの気持ちがなんとなくだけどわかる気がする・・


私も一時期だけど、人間不信だったので・・・


裏切られたような経験が何度もあったりすると、人を信じるのが怖くなって、信じてまた裏切られたら・・?というような気持ちに今もなることがあります


オリゲルドの孤独も少し、なんだかわかる気がする・・


そしてアルディスがオリゲルドへ、オリゲルドがアルディスへお互いに手紙を書きます


書き終えたあとのオリゲルドの言葉・・自分の過去をあげてから、「アルディス、あなたは間違っているわ・・憎しみこそが最も人間を強くするのよ!ありがとうおかげで私は強くなれるわ・・この世の誰よりも・・」


亜弓さ~んなんかもうかっこいいの域に達してる・・^^


でもマヤも見せます


ラストニアの飢えた国民たち、戦と王に不満を持っている者たちが、城を取り囲んだのです


そして、民は国王を出せ!と要求・・


アルディスは・・


マヤはもうアルディスとして舞台の上で生きていました


(ああ・・そう胸が熱い・・胸が熱い・・!)


そして、マヤの演説・・


そして笑顔


演技でなく本当に役になってしまっているマヤがそこにいるんです


そうなるともう一言一言がきっと心からあふれでる真実の言葉になってほとばしり出るんだろうなぁ・・


マヤのすごいところかな?


そしてアルディス、ハーランドのラストニアに対する不信感をなくすために、自らハーランドへ行くことになります


「信じてほしければまず信じなければ・・そうでしょう?」


マヤの本当に天使みたいな笑顔・・・


すごい対照的な二人の王女だなあ・・


ハーランドでアルディスは相手を信じることで受け入れられます

しかし、オリゲルドがエリンワルドの援軍をラストニアに送らせるようにしたことで、ハーランドに勝てると思ったラストニアは和平調印を前にハーランドをおそい、ハーランド国王一家を死刑にしてしまう・・


そしてアルディスの弟ヨハンも殺され・・


オリゲルドが戻ってくる


そしてオリゲルドの暗殺も裏ではたくらまれるが、オリゲルドが仲間と一緒に一網打尽にして処刑・・


そして病に伏されていた、ラストニア国王アルディスの父はオリゲルドによってひそかに毒殺、親戚の者たちも、みな、オリゲルドを殺そうとしたかどでとらえられ、処刑・・・アルディスは捕えられます


そして牢に姿をみせるオリゲルド・・


立場の入れ替わった二人の王女の対面です


オリゲルドに駆け寄るアルディスを兵隊がとらえ、オリゲルドはアルディスに罪を着せようとします


「天使のほほえみを持つ義妹・・アルディス・・・」そう言ってアルディスのブローチを引きちぎるオリゲルド・・


本物の憎悪を感じさせるシーン・・


やがてオリゲルドがラストニアの女王になります


けれど、誰かにまた地位を追われ、殺されるのではないかという恐れを抱くオリゲルドは今まで殺した人たちが夢に出てきてうなされます

うなされていたオリゲルドの元にやってきた皇太后の言葉で、オリゲルドは自分の立場を悟ります


「私は誰も信じない・・誰も愛さない・・そして誰も私を信じない・・愛さない・・・・地獄の中で生きる!」


そしてアルディスが牢に入れられてから3年たった時のオリゲルドとアルディスの対面


はじめて本当の気持を言うオリゲルド


「私はあなたなんか大っ嫌いなのよ・・・・・・あなたのおじいさまやお母様、おじさまを処刑という形で殺したのも私・・さあこれでも私を愛していると言えて?」



アルディス「父を殺し弟を矢で射て母や祖父や叔父を処刑したというのですか・・そして私の愛と信頼を利用していたというのですか?」



オリゲルド「あなたが私を倒せば新しいラストニアの女王が誕生するわ」


アルディス「あなたが私を倒せば・・あなたは・・あなたを愛するただ一人の人間を失うことになるんだわ!・・それが女王なら私は女王になどなりたくありません!今だってお姉さまはちっとも幸せそうじゃないわ!」


・・「そうよあなたの言う通りよ!心安らかな日など一日もなかったわ!幸せだと感じる日は一日もなかったわ!あなたのように誰からも愛されて幸せにぬくぬくと生きてきた人間にわかるものですか!私の気持など・・!」


オリゲルドの苦しみを見てアルディスは、自分の存在が苦しみになるのなら自分を刺すようにいいます


けれどオリゲルドにはできない・・



「なぜ私があなたに敗北感を感じるの?私に不幸を気づかせないで!私に愛を気づかせないで!一生私はこうして生きるのよ・・・地獄の中で・・アルディス・・」


場内はオリゲルドの悲しみでつつまれてまるで光が影に食われていると劇関係者が呟きます


と、月影先生、ふっと笑って「どんなに影が濃くても光がなければ影はできないのですよ」


マヤ・・ふっと立ち上がり、オリゲルドの前に立って、微笑む


場内はざわめき、一瞬マヤが聖母マリアみたいに見えたと観客が騒ぎ始めます


演技でこんな表情ができるの?


そこへユリジェスがやってきて、オリゲルドはアルディスを見逃してくれます


その後アルディスは、ユリジェスとともに逃げて遠い南の国へと旅立ちます


オリゲルドは王女のまま・・また再び王女の生活へ戻っていきます

それからしばらく経って・・


アルディスが幸せな生活をユリジェスと始める・・


その一方・・ラストニア、オリゲルドは死人のような表情をしています


「さむ・・・い寒いわ!アルディス私の心は冬のまま・・・吹雪の中かから抜け出せない!アルディーーース!!」


はっ


「女王陛下、会議が始まります。女王陛下、おでましを!」


あ・・


「ホホホホ・・・!私は誰も信じない!誰も愛さない!氷の矢をはらうには氷の盾を持ってするほかないわ!誰に信じられなくてもいい・・誰に愛されなくてもいい・・地獄の中で生きてみせる・・血にまみれても、生き抜いて見せる・・!」




「女王陛下のおなりーーー!」


終わり






物語を結構詳しく書いてしまったけれど、そのほうが私が感想を持っている部分の話が分かってもらえると思ってそうしました


この物語を読んでいて、途中でもしかしてそういうことなのかなと思ったことがあります


それは・・・マヤはアルディス、亜弓はオリゲルドを演じる才能があると月影先生が言っていたけど、それって・・


アルディスは心のままに表情に出して演じる感じだと思うけど、オリゲルドは時にだし、ある時はうちに秘めている感じ・・・


演じることを忘れない、周りが見えなくならないという点でいつも役者でいられる亜弓さんだったからこそ、演じられた部分もあったかなと・・うまく計算しつくされた演技を亜弓さんはしていたのでオリゲルドの人をだます計算高い演技もできたのではないかと・・

一方マヤはなりきるともう周りが見えなくなるくらい本当になってしまう

そんなマヤだったから、ほとばしり出るようなアルディスの優しさを表現できたのかな・・と
それにマヤは素顔は美人じゃなくても、性格の面で人をひきつける才能があるし、亜弓さんはちやほやされてるけれど、一人でだれにも頼らない性格だし・・


そんな性格、内面の物を見てたのかなと思いました


あと好きなシーン・・これは、マヤでいうなら演説のシーン・・それから優しそうな笑顔で泣いているオリゲルドの前に立つシーン・・

すごくひきつけられます


そして亜弓さん・・亜弓さんは・・


オリゲルドが自分の心の内をアルディスの前であかし、私に不幸を気づかせないで!私に愛を気づかせないで!
一生私はこうやって生きるのよ地獄の中で・・アルディス・・」そう言ってアルディスのひざでなくシーン・


オリゲルドの悲しみが痛いほど伝わってきます


後、最後の、氷の矢をはらうには氷の盾をもってするほかないわ!誰に信じられなくてもいい・・誰に愛されなくてもいい・・地獄の中で生きてみせる・・血にまみれても、生き抜いて見せる・・!のところ・・


悲しげな生き様・・でもひきつけられて、その去っていく様も、なんだかかっこいいなあと思ってしまう亜弓さんのオリゲルドでした


いやー長かった^^;


もっと感想も書きたかったけれど、さすがに長いのでこれで・・


でも本当にこの物語は大好きです

飽きないです


一度、演じてみたいですね


では!