モーッアルトのすごいところは、
とにかく、明るいということです。
走る悲しみ。と、評した
評論家がいましたが。
悲しい曲でも、
どこかが明るい。
暗闇にも、必ずちょっとした
光が見える。のが、彼のすごいところです。
フルートは、3曲のコンチェルトがあります。
私は、当然のことですが、
フルートの曲を書いてくれていない作曲家とは、
どうも距離を感じます。
深く深く、ものすごく長い時間をかけて、
この3曲は勉強したので。
一度そういう経験を若いときにした作曲家は、
まるで身内のような繋がりを感じます。
初めて聞く、別の楽器の曲でも、
まるでよく知っている人の作品のように
身近に感じます。
「あ、ここ、彼らしいね。」と、
すぐに、曲のフレーズや和音の中に
モーッアルトの片鱗を感じます。
どんな作曲家でも、そういうものです。
だから、一番大事なことは。
全ての曲を先生と勉強することではなく。
ものすごく深く深く、
ある曲を徹底的に勉強することです。
言ってみれば、ある作曲家の作品を勉強し尽くしていれば、
その人の作品は、レッスンに行かなくても
一人で、演奏できるようになるはずです。
ただし、コンクールで評価をもらうのに
一番難しいのは、モーッアルトと、バッハです。
装飾、解釈が100人いれば、
100通り・・・というくらい、
あらゆる解釈ができるということが一つ。
そして、時代(+作曲家)のスタイルというものがあるので、
そこから外れないということ。
そして、初見が簡単で
とても単純な作りにみえて。
本番に完成したものを出す。
となると、この二人の作品は、どんなすごい演奏家でも、
何度演奏しても、なかなか演奏者本人が
納得したものにならない難しさが、あります。
とても不思議なのですが。
今日のモーッアルトは最高だった!
という演奏に出会うことは、とてもまれです。
それにしても、本当に、天才なんだなあ。
と、どの作品を聞いても、演奏しても、思います。
こんな天才は、ほぼ、数世紀に一人しか出てこない。
自分がモーッアルトだったら・・・どんな気持ちだっただろう。
そう想像しながら、演奏するのですが。
頭の中に、こんな美しい音楽が、
毎日毎日、どんどんオーケストラや合唱、
オペラの大きな作りで湧き上がってきたら、
どんなに楽しいでしょうね。
(大変そうでもありますが。)
彼の場合は、どんどん音楽が完成形で湧き上がってくるから、
書き写すのが大変だった。というタイプの天才らしいです。
そんな人たちがいるのですねえ・・・。
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