多才すぎる女性 | Paris暮らし

 

有名画家のエテル・アドナンさん

2021年にパリで96歳で亡くなりました。

パリとカリフォルニア在住の

レバノン系アメリカ人です。

 

英語 wiki

 

動画

 

 

興味深いのは、国籍と言語。

レバノンで生まれ、ギリシャとトルコのハーフ。

 

アラビア語、ギリシャ語、トルコ語、フランス語で育ち。

フランス系の学校で教育を受けた。

初期の小説は、フランス語で書かれている。

当然英語を話すので、すでに5ヶ国語。

パートナーの方は、他の国のハーフだそう。

家の中だけで7ヶ国語が混在している・・・。

 

詩人、エッセイスト、ビジュアル・アーティスト

(油絵、映画、タペストリー)

現在、世界中の国立美術館が競って、

高額な彼女の絵画を買いたがっている画家です。

晩年まで、絵筆を握り、文章を書いていたそうです。

 

大学教授、ジャーナリストとしても長期にわたり活躍。

アラブ系アメリカ人作家の中で、

最も著名な作家と言われています。

 

とても発言がシンプルで、お人柄が素晴らしい。

誰とでも素朴にフラットに接し、

講演会などでもわかりやすい言葉で話し、

全く偉そうにすることがなかったそうです。

 

と言うより、彼女自身は、

これだけの分野で大成功していると言うのに

「私、本当は建築家になりたかったの。

でもあの時代は、まだ女性建築家っていなかったのよね。」

なんて、言っていたのだそう。笑

 

何歳になっても、

「表現したいことがあるの!」と、

次々、実際に形にしてしてしまう

才能と、意欲とエネルギー。

 

夫が長年の友人で、

私も何度か、一緒にお食事したことがあります。

 

一つのことを極めている人は、

別の分野でも、淡々とすごい仕事をしてしまう。

年齢も国籍も関係ない。

 

命を狙われてでも、彼女の考える意見を

新聞の一面に堂々と書いていた

人ですから。多分、あまり怖いものは

なかったのでしょう。

 

フェミニストと言うのとも

ちょっと違う。

行動で、人権と自由を

生き抜いた人です。

 

穏やかな抽象画の色使いなど見ていると、

全くプレッシャーや気負いを感じさせないのですが。

 

レバノン内戦アルジェリア戦争

の影響が大きく、

アメリカとパリに移住したのだと思いますが。

長年国を跨いだ2拠点、3拠点生活を軽々としている。

 

真の国際人というのは、このくらい軽やかに移動

しながら生きているのが、当たり前なんだなと思います。

 

そして、彼女の作品や本をみながら

彼女の人生の話をしていると、

不思議なくらい、いろんなことを考えさせられて、

勉強したくなるのです。

知識欲を刺激される。

 

レバノンって、今はどうなっているのかな。

宗教はイスラム教がほとんど?

 

アルジェリア戦争のことって、

ちゃんと勉強したことがなかったな。と、

色々調べたり、話したりしたくなります。

 

ここまで、国、ジェンダー、宗教、経済、

全てを飛び越えて

卓越している人って、他にあまり知りません。

 

 

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