地方の古い町なみを歩いていると、まるで100年くらい前の世界に

迷い込んだような気持ちになります。

 

人の雰囲気も暮らしもパリとは全然違います。

こんなところで静かに暮らすのもいいですね。

この近くに写真家の知人が住んでいて、窓からは海が見えるんです。

 

この日は、画家の友人の展覧会でした。

もともとは教師だった方なのですが、病死された奥様と最後の時期に

引退後は必ず好きだった絵画を本気で続けて描くことを約束したことがきっかけで

本当に画家になったんだそう。

(きっと奥様は自分の病気の事を知っていたので、彼の老後の孤独な時間を心配して、

 夢を叶えて楽しく生きてね!と言いたかったのでしょうね。)

 

毎日数時間、必ず油絵を描き続けているそうで、

とても素敵な風景画がたくさん。

ちょっと驚くほど上手で、数年前からすでに数枚絵が売れているそうです。

 

奥様のことを今でもとても愛していて、絵筆の一筆一筆に

奥様へのメッセージが込められているような気がして、

見ていると、ちょっと涙が溢れてきそうになるくらいいい絵です。

 

ちゃんとプロの画家になったと知ったら、

きっと奥様も喜んでいるでしょうね。

 

そして、最近では、風景の中に飼い犬を描いて下さいと友人から依頼されて、

注文を受けての絵画も描いているそうで、

その絵も依頼主の許可を得て展示されていました。

 

中には、とても自分で気に入っているという森の湖の絵があって

譲って欲しいという声はたくさんあるそうなのですが。

これは、これは自分のために描いた絵だから手元に生涯持ち続けるつもり。

と、言っていました。そういうお金の為でない姿勢もなんだかいいですね。

 

小説のような夫婦の物語。

まだ60代後半。

これから、まだまだ長い人生が待っていると思うので、

彼がどんな絵を描いていくのか見ているのが楽しみです。

いろんな人生がありますね。

 

 

 

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