Gottfried Honegger オネゲルさんのエクスポジション
ポンピドーセンターで開催中です。

現在98歳で、現役の売れっ子現代芸術家のスイス人。
今でも毎日アトリエに通って製作しています。
そして、こんな風に、エクスポの時には、
ヨーロッパを駆け回ったりもしています。(すごすぎる!)
ジルが10年ほど前から彼の本の製作をしているので、
今回も、エクスポのカタログ本は彼が手がけています。

ヴェルニサージュの日に、私も参加させていただき、
オネゲルさんご本人にもお会いしましたが、
とてもとても若々しくて、お元気で、
作品はどれも品があって、美しく。
本当に良い空間でした。

9月14日まで開催中です。
ポンピドー・センターは、現代美術館全体のチケットを買って
入場することになるので、他の現代美術を楽しみつつ、
4階の彼のエクスポも是非ごらんください。

勝手に作品の写真掲載ができないので、
hpをごらんくださいね。→⭐︎


彼の最近の作品は、7メートルほどの全面に真っ赤のキャンバスに
厚紙などで四角や円をうっすらと浮かび上がらせたり、
ほとんどがキャンバス一面同じ色だけというシンプルな作品が多いです。
凹凸のつけ方や、色合いにいろいろな工夫がされていて、
サロンなどに置いたらさぞ綺麗だろうと思います。(→買えない買えない・・・・(笑))

彼が突然ある日出世した時の話も私はとても好きで、
ずっとひたすら創作活動を続けていたけれど、
まだ無名だった時代、ある日、ニューヨークの現代美術館のディーラーが
彼の作品を認めて買ったのだそうです。
その人が買った後、嘘のように、翌日全ての作品が完売したそうです。

もちろん、どの世界でも、どんなに優れたアーティストも
世の中に出て行くタイミングというのは、自分でははかれない。
だけど、こうして認められるべき時が与えられると、
今度は、作品の製作が追いつかないほどになるのですよね。

彼の芸術は「具体的芸術」「Art concret」 と呼ばれるものです。
「抽象美術」「Art Abstrait」に対して、もっと具体的なことを表現している芸術家という意味だそうです。

例えば、ジルが製作した10年前の彼の写真集には、
雑草ばかりを撮った「雑草」という写真集には街のアスファルトから生えている雑草
の写真ばかりが載っているし、
「多すぎる」という写真集では、落書きや商品や多すぎるものばかりを集めた写真集。
彼の思いついた言葉、ポエムが一緒に書かれているのですが。
一見のなんのつながりもなさそうな、この写真やポエムも、
具体的芸術の一環という考え方なのだそう。

写真、絵画、彫刻、ポエムなど、いろいろな表現で時代とともに、
自分を表現し続けて、もうすぐ100年が経つわけです。
スタイルも表現の内容も時代と共に変化し続けている。
こんなに素敵な人生があるだろうか!と、私は本当に感銘を受けました。

「具体的芸術」に対して、「具体的音楽 ( ミュージック・コンクレート ) 」「Musique concrète」という言葉も存在します。言葉だけだと難しそうに聞こえますが、
要するに椅子を動かした時の音や、扉の閉まる音、
列車の走り抜ける音など、日常の擬音を電子音楽を混ぜたりする音楽のことで
聞いてみるととてもわかりやすくても面白いです。
ピエール・アンリや
ピエール・シェフェールが代表的な作曲家です。

そういえば、こういう音楽を聴きながらオネゲルさんの作品を見たら、ぴったりだな!と思いました。エクスポの会場で静かにこういう音楽を流す企画なんて楽しそうです。





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