フランス人って靴をずっと履いていますよね。
ベッド以外では基本的に靴を脱がないので、
人前で靴を脱ぐ事にはものすごく抵抗があるようです。

まるで服を脱ぐということと同じくらいに、
公的な場所で人前で靴を脱ぐ事はないのだそうです。

そういう機会が今までの人生で一度もないので、
どんなにおしゃれな人でも、
靴下に穴があいていたらどうしようとか、
ちゃんとした靴下履いて来たかなとか。
急にお座敷で食事なんて日本の会社が招待したレストランで
畳の席に通したりすると、たいていフランス人は慌てます。(笑)

もともとマンションの入口には、
玄関というものもないので、段差もありませんし、
靴のまま、サロンをつっきり、
寝室やクローゼットまで靴を履いたまま、
家の中をうろうろして、
靴箱もクローゼットにあったりするわけです。

このずっと靴を履いていることについて、
このあいだ話題になったのですが、
フランス人は、サロンや家の中でも、
ある意味で、公的なプュブリックな場所という意識が
ある程度あるのかもという話題になりました。

日本人は、家に入る瞬間から、
靴をぬいで、帰ったらすぐに楽な服に着替えて、
すぐにくつろぎますよね。
家の服と外の服をすぐに着替えて
裸足や靴下になるし。
畳文化なので、どこにでも横になったり、
あぐらをかいて座ったりできるわけです。
基本的には、フランス人は、靴を履いてすごして、
ソファーやベッド以外には座りません。
(床に座る若者も多いですが。)

あまり日本人は人を家に招いたり、泊めたりしませんよね。
家の中を他人に見せない傾向があることと、
このフランス人は、サロン等をできるだけ
綺麗に保って、すぐに人に見せられる状態になっている
ということに共通点があるのかもという気がします。

寝室のベッドメイクもたいていちゃんとしていますし。
どうせ誰にも見せないから荷物を詰め込んでいる部屋とかも、
一般的に少ないような気がします。

そして、とにかくフランス人は、
基本的に夕食は家で食べます。
日本のビジネスマンが家で夕食を食べられるなんて、
ほとんどありえないですが。

パリは、通勤時間も短いし、
遅くとも19h30には会社を出て、
毎日必ず20hの夕食までには帰宅するという
ビジネスマンが大半です。

土日は、絶対に休みという人もとても多い。
だからといって、仕事がそれなりに進んでいるということは、
それだけの内容を終わらせて帰っているとも言えます。
(もちろん個人差がありますが。)

ほとんどの家庭は共働きなので、
家に帰って、とにかく夕食はいっしょに食べて、
その後くつろいだりするわけです。
子供達は、はやくお風呂に入っているので、
パジャマだったりしますが、
たいていお父さんは、すぐにスエットに着替えたりしないので、
靴もはいたまま、仕事から帰った服のままということも多いかも。

家の中は、ひたすらくつろぐ所。
というのは、ある意味とてもリラックスしていいものですが。
家には、友人をほとんどいれない。とか、
親戚がきても、食事は全部外とか、
親戚はホテルに泊まってもらうという家が
日本には多くなっているようですね。

フランスは、どちらかというと、
気楽に家に泊まれるように、
常にスタンバイされている気がします。
ゲストルームが立派なリッチな家だけではなくて、
文化として、サロンはサロン、
寝室は寝室、と独立していて、
それぞれその機能に必要なもの意外
置いていない。というのが、一番片付いている理由だと思います。

考えてみれば寝室には、ベッドしかなければ、
片付けるのは簡単です。

ベッドの上でだけ靴を脱ぐのが
普通のフランス人なのです。
(お風呂やシャワーの後は、裸足や靴下、スリッパで歩くそうです。
 ホテルに泊まっている時のことを想像していただければ、
 だいたいそういう感じですよね、日本でも。
 お客様が来ていれば、寝室以外では靴はぬがないそうです。)

そんなにずっと靴を履いていて、
疲れない?むれない?と質問すると、
慣れているから。と、皆答えます。
むれるという問題は、湿気が少ない事と、
もちろん夏は通気の良い靴を毎日履き替えたりと
工夫しているようです。
子供のときから、靴に慣れていますからね。

私の家は、全員玄関で靴をぬぎます。
日本人としては、ここは、絶対にはずせないですよね。
でも、来客や家具の配達の人とか、
ガスのメーターを見る人なんかには、
無理に脱いでほしいというと、へんな顔をされますので、
わざわざお願いせずにおおめに見る事にしています。

何が言いたいのかというと、
なんとなく、この靴を常に履いているということと、
家の中を常にスタンバイ状態で人に見せられる状態にしていること。
玄関という境がないこと。
でも個人主義で、精神的な個人という境界が常にはっきりしていること。

靴を玄関でぬぐ国民と、
靴を家の中でもずっと履いている国民。

とても些細なことですが、毎日の暮らし方の基本的なことなので、
こういうところにこそ考え方の違いや、文化的な違いが
意外と隠されていたりするのかも。
なんて、ちょっと思ったりしたのでした。

結論はまだでていないんですけどね。
こういう小さな違いが、実は、すごーーく大きな違いだなあ。
と、あらためて考えてみるとおもしろいかもしれません。

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素敵なレストランでビジネスランチ。
通訳として同席させていただきましたが、
とても美味しかったし、ロケーションも最高でした。
paris暮らし

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