写真の真ん中あたりにあるのは、
9世紀のエジプトの小さな緑のオイルランプ。

呪文を唱えながらランプをこすったら
アラジンの魔法のランプみたいに
魔人が出て来てしまうかもしれない。
・・・と、思わせる1000年前のランプ。(笑)

アラブ世界研究所の「千夜一夜物語」エクスポの様子です。

「アラジンと魔法のランプ」は、
「千夜一夜物語」(アラビアンナイト)の中でも
一番有名な物語という印象ですが、
どうやら、アラブ語からフランス語に「千夜一夜物語」を
翻訳した翻訳者ガランさんが、
勝手に付け足してしまった物語らしい。と、
言われているのだそう。

アラジンのランプの話はほんの一部で全体の内容
何度か内容確認したことがある気がするのですが、
ちゃんと読んだ事はないので、ちょっと内容調べてみました。


******

「千夜一夜物語」

一人目の妻に裏切られた怒りから
女性不信になったシャフリアールという王様が
毎晩一夜を過ごしてはその女性を翌朝殺し、
3000人を処刑していた。

それをやめさせるために、
大臣の娘、シェヘラザードが
父の反対を押しきり、自ら志願して王と夜を共にする。

彼女は死ぬ前に、妹ドニアザードに別れの挨拶をさせて欲しいと望み、
ドニアザードは、王と姉の元にに会いに来ると
夜の間中、姉に物語を話し続けるようにせがんだ。

王は横になって、一晩中シェヘラザードの話を聞き、
次の話をするように命令したが、
「夜があけましたので、続きは明日の晩お話しましょう。
 明日のお話は、今宵のものより、もっと心躍ることでしょう。」と、
話を途中でやめてしまいます。

王は新しい話を聞きたいが為に、
翌日も翌日も、シェヘラザードを殺さず、
彼女の話を毎晩楽しみ、とうとう1001夜を過ごす。

こうしてシェヘラザードはイランの王妃となり、
3人の王の子供をもうけ、
王は説話を楽しみながら、
倫理と寛容を身につけていった。

という、お話。

*****

その後、映画、音楽、バレエと
世界中で作品に使われて、誰もが知っている物語。

ふーーーむ。
こういう話だったのか。
概要だけですっごく面白いではないか(笑)

自分勝手な怒りで関係ない人を
3000人殺すというのもすごいけど。

殺されるとわかっている王の元に
自ら志願して行くシェヘラザードもすごい。

自分の話で魅了して王を楽しませる自信が相当にあったから
これ以上女性を殺させないために行ったんわけですね。

3年近く、毎晩王様を飽きさせず、
明日も話を聞かせてほしいと思わせ続ける才能と忍耐。

3000人殺す程の女性不信を溶かして、
面白い物語を聞いているうちに
彼の怒りを鎮めただけではなくて、
楽しい気持ちに、つまり幸せにしてしまいながら
諭してしまったわけですね。

すっごい話だ。
女性は、強く賢くあるべきという話がこうして
アラブの物語として語り継がれてきたというのが、
またすごい。

世界中、一見男尊女卑に見える国でこそ、
実は実験を握っているのは女性だったりするのかも。

と、思わせるお話ですよね。

いったいどんなお話をして王様を
飽きさせなかったのか、興味がわいてきました。
ちょっと本を探して読んでみようかな。


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リムスキーコルサコフ作曲 シェヘラザード 演奏ウイーンフィル

シェヘラザード バレエ

何世紀も前の壷やランプ等小物がいっぱい。
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あの綺麗な建物の中は、こんな風に切れ絵模様のように光が入ります。
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空飛ぶベッド。の挿絵を同じ形をしたベッド。
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