ノルマンディーの魔女のような人が住んでいるというシードルを作っている農家に、
パリに戻る前日に行ってきました。

車でどんどん田舎道を進んで、周りは、自然と馬と羊しかいなくて。
たぶん夜中だったら明かりもないような所。

行ってみたら、とっても親切なおじさんが出てきて、
見渡す限り、りんご畑に囲まれた素敵なところでした。
風の音しか聞こえないようなのどか~~~な暮らし。
大草原の小さな家みたいだった。

羊の親子が少し離れたところに2家族いて。
「真ん中にいるのがお母さん、その隣に寝ているのが娘と息子だ。」

お花がたくさん咲いていて。
犬が4匹わんわん出てきて。(たぶんジャックラッセル)
「こいつらは、4世代の親子でな。
 これがおばあちゃん、これがお母さん、その隣が娘で・・・。」

どうやら、この家の動物たちは、全部代々子供たちがわんさか生まれているらしい。(笑)

うさぎ小屋には、た~くさんうさぎがいるうえに、
それぞれのお部屋でうさぎの赤ちゃんが生まれたばかり。
10匹くらい、重なってすやすや寝ていた。
「これとこれも、親子でな。こいつがこいつの娘でさらに子供を生んで・・・。」
また説明が始まった。(笑)

かわいくてかわいくて、本当に皆動物も植物も幸せそうだった。
お天気がよかったせいか、
お花がたくさん咲いていたせいか、
ぜ~~んぜん、魔女の家族っぽくなくて、
どちらかというとのんきな田舎のおじさんだった。

ちらりとおばさんも出てきたから、
こっそり観察しながら挨拶したけど、
普通の優しそうなおばさんだった。

シードルは、本当にただ見たいな値段で、(100円くらいかな。)
10本くらい分けていただいて、
たくさんお話して帰ってきた。

なんだか、夢をみているようなひととき。
だって、この現代に、たぶんこの人達は、
完全に自給自足で暮らしているうえに、
外の人達とのつきあいをほぼしていない。

興味もなければ、欲もない。
完全に満足して代々の土地に暮らしているから、
わざわざ外に出る意味がない。
淡々と広大な畑でりんごを育てて、
代々教えられた方法でシードルを作る。
お金を使う機会がないから、経済的には裕福らしい。

もちろん学校には行くし、テレビもある。
農家の集まりみたいなものはあるだろうけれど、
近くの海に行くことも、観光客めあてに何かをすることも
いっさいない。

穏やかで静かな暮らしを邪魔されることを
一番嫌うんだそうだ。
夜出かけることも嫌がるんですって。

何か問題があったり、動物が病気になったりすると、
今でもおまじないとか、そういうことを真剣に信じているんだそうだ。
だから、魔女という言い方を近所の人がしていたんだけど。(笑)

きっと、彼らが東洋人を見たのは、
生まれて初めてだっただろう。

こんな暮らしをしている人達が今でもたくさんいるんだなあ。
見渡す限りの自然の中で。
なんだか、楽園みたいな所だった。

夏は、親戚が大勢集まって
毎日食事ごとにみんなシードルを飲むのを楽しみにしてるから、
お店の3分の一くらいの値段で
美味しいシードルが手に入る農家を見つけたのは、
良かったねえ、今度は、もっとたくさん分けてもらおうねと言い合いながら帰った。

写真もたくさんとったのだけど、
すぐにアップできないから、
後日また~。

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