先日見たオペラは、日本の古典文学「更科日記」を題材に
ハンガリーの指揮者であり作曲家
peter Eotvosが
作曲した現代曲オペラ。
ライト、舞台演出、衣装、振り付けは日本人。
歌手は、フランス人。(他の西洋人もいるかもしれませんが。)
リヨンのオペラ座で作曲家本人指揮により初演されたもの。
歌詞は英語。
どうですか、この面白いほどの文化のミックス。(笑)
更科日記とは、
11世紀、平安時代の貴族の娘
菅原孝標女 (すがわら の たかすえ の むすめ)
が京都で書いた日記だそうです。
上演中は、仏語字幕が出るので、
歌詞全ては追えなくても、
舞台のテーマがわかり、
シンプルな現代的な舞台で、
後ろの丸いわっかが動くと
満月や半月を現しているのかなとか。
赤いライトで、火事を現したり。
衣装は、着物を重ね着しているようなつくりで、
途中で、上に着ているものを脱いでいくと色が変わったり。
真っ白な舞台で、くっきりとした色の衣装。
なんだか、現代美術の絵画を見ているようでした。
音楽は、不協和音をふんだんにとりいれた、
完全なる現代曲。
たとえば音をだんだんあげていくときは、
半音階のグリッサンドではなく、
ふわ~~んと、ファ→ファ#→ソのあいだも
気持ち悪~く(笑)→の部分も
少しづつ音をつなげてあげていくという
現代曲にはよくあることなんですが、
はじめて聞く人は、めんくらう演出がいっぱい。
どんなに難しい楽譜なのかと思われるのですが、
実は、こういう曲って、楽器を演奏している側は
非常に楽しいものなのです。
ま、作りこむまでは大変ですが。
できてしまえば、楽しいのです。
3人のクラリネッティストが客席の中に配置され、
二階席左、三階席右、四階席後ろで
交互にフレーズを吹くと、
音が回って聞こえたり。
鳥のような笑い声をわざとマイクを通して歌うと
会場後方で声が聞こえたり。
おもしろいいたずら演出がふんだんに。
こういう今までに無い、型破りなことを
天下のパリのオペラでやってしまう趣向。
私は、とっても好きなんですが。
しかも、舞台が11世紀の日本でしょ。
こういう芸術、
好き嫌いは、ものすごくわかれるところですが。
このスケールで、
現代オペラをこのクオリティーで
地方オペラで作れてしまうフランスって
やっぱりすごいな~!と思うのです。
あ~楽しかった。
たまたまm姉の友人が
奥さんが前日に見て素晴らしかったからと
さそってくれて、行ったのだけど。
音楽家でない、普通のフランス人が
こういう舞台を大喜びする様も、
ああ、フランスの文化水準は高いのだなあと
いつも感心させられることです。
気軽に、こういう一流の演奏が聴けてしまうのが
いいのよね~。パリ。
しかも、チケットたったの6ユーロ!!!
信じられない・・・。
こちらのopera comique のページから
右下のextrait video ビデオ
のところをクリックすると
少しだけオペラ抜粋が見られます。
↓
Lady Sarashina
残念ながら、オペラコミックでの上演は終了してしまいましたが、
どこかでまた再演されるかもしれませんし。
食わず嫌いせずに、
是非、新作のオペラなどにもお出かけください!
それにしても・・・
誰かが「更科日記」を英語に訳し。
それを、誰かがオペラにしようと言って、作曲し。
オケとオペラが上演を承諾し。
出演歌手を決め、舞台衣装のデザインをし。
オケと歌手と演出家と振付家と証明さんとリハをしていく・・・・
それを実現するまでの道のりを思うと、
なんだか、もう気が遠くなる。
演奏自体は、やればできることです。
楽譜を読めば、プロにとっては、
さほど難しいことではないから。
ただ、このチーム作業が、なんといっても大変。
でも、だからこそ、生の舞台は
いいんですよね。
ライブの舞台が出るのも観るのも、
何よりも好きです。


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ハンガリーの指揮者であり作曲家
peter Eotvosが
作曲した現代曲オペラ。
ライト、舞台演出、衣装、振り付けは日本人。
歌手は、フランス人。(他の西洋人もいるかもしれませんが。)
リヨンのオペラ座で作曲家本人指揮により初演されたもの。
歌詞は英語。
どうですか、この面白いほどの文化のミックス。(笑)
更科日記とは、
11世紀、平安時代の貴族の娘
菅原孝標女 (すがわら の たかすえ の むすめ)
が京都で書いた日記だそうです。
上演中は、仏語字幕が出るので、
歌詞全ては追えなくても、
舞台のテーマがわかり、
シンプルな現代的な舞台で、
後ろの丸いわっかが動くと
満月や半月を現しているのかなとか。
赤いライトで、火事を現したり。
衣装は、着物を重ね着しているようなつくりで、
途中で、上に着ているものを脱いでいくと色が変わったり。
真っ白な舞台で、くっきりとした色の衣装。
なんだか、現代美術の絵画を見ているようでした。
音楽は、不協和音をふんだんにとりいれた、
完全なる現代曲。
たとえば音をだんだんあげていくときは、
半音階のグリッサンドではなく、
ふわ~~んと、ファ→ファ#→ソのあいだも
気持ち悪~く(笑)→の部分も
少しづつ音をつなげてあげていくという
現代曲にはよくあることなんですが、
はじめて聞く人は、めんくらう演出がいっぱい。
どんなに難しい楽譜なのかと思われるのですが、
実は、こういう曲って、楽器を演奏している側は
非常に楽しいものなのです。
ま、作りこむまでは大変ですが。
できてしまえば、楽しいのです。
3人のクラリネッティストが客席の中に配置され、
二階席左、三階席右、四階席後ろで
交互にフレーズを吹くと、
音が回って聞こえたり。
鳥のような笑い声をわざとマイクを通して歌うと
会場後方で声が聞こえたり。
おもしろいいたずら演出がふんだんに。
こういう今までに無い、型破りなことを
天下のパリのオペラでやってしまう趣向。
私は、とっても好きなんですが。
しかも、舞台が11世紀の日本でしょ。
こういう芸術、
好き嫌いは、ものすごくわかれるところですが。
このスケールで、
現代オペラをこのクオリティーで
地方オペラで作れてしまうフランスって
やっぱりすごいな~!と思うのです。
あ~楽しかった。
たまたまm姉の友人が
奥さんが前日に見て素晴らしかったからと
さそってくれて、行ったのだけど。
音楽家でない、普通のフランス人が
こういう舞台を大喜びする様も、
ああ、フランスの文化水準は高いのだなあと
いつも感心させられることです。
気軽に、こういう一流の演奏が聴けてしまうのが
いいのよね~。パリ。
しかも、チケットたったの6ユーロ!!!
信じられない・・・。
こちらのopera comique のページから
右下のextrait video ビデオ
のところをクリックすると
少しだけオペラ抜粋が見られます。
↓
Lady Sarashina
残念ながら、オペラコミックでの上演は終了してしまいましたが、
どこかでまた再演されるかもしれませんし。
食わず嫌いせずに、
是非、新作のオペラなどにもお出かけください!
それにしても・・・
誰かが「更科日記」を英語に訳し。
それを、誰かがオペラにしようと言って、作曲し。
オケとオペラが上演を承諾し。
出演歌手を決め、舞台衣装のデザインをし。
オケと歌手と演出家と振付家と証明さんとリハをしていく・・・・
それを実現するまでの道のりを思うと、
なんだか、もう気が遠くなる。
演奏自体は、やればできることです。
楽譜を読めば、プロにとっては、
さほど難しいことではないから。
ただ、このチーム作業が、なんといっても大変。
でも、だからこそ、生の舞台は
いいんですよね。
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