造形教室の幼児クラスに通う前にリトミックにも通っていたSくん。3年生までの人生のほとんどをこの研究所に通い続けてくれました。
塾に行くことになり、どうしても退会せざるを得ない状況になったのですが、本人は辞めたくなくてどうにかして続ける方法はないかと家でお母さんと考えていたようです。
今日は部屋に入ってきた時から、小声で『この教室って一回いくらなのかなぁ』『いま月3回だから〜…』と私に聞こえるギリギリ聴こえるくらいの声で言い続けてました。
はいはい、ネゴシエーションですね。
私『もう、わかったから!いいよ、来られる日は事前に電話してくれれば来てもいいよ』
Sくん 『ホント?やったー!』
隣で聴いていたTくんの目が光る。
Tくん 『えっ?それいい!僕も塾ない日は来れる!』
そう、幼稚園クラスからずーっと一緒に通ってくれたTくんも塾が始まるのでそろそろ…という話が出ているのです。
二人とも長く通ったからね〜
ケンカしたこともあったけど、ずっとずっと一緒だったからね〜
工作を終えて、2人だけ部屋の隅に行って、仲良く遊んでました。
今までも沢山の子供たちをアートスクールから、送り出しましたが、感受性の強い子は、泣かないように、お別れが悲しくなりすぎないように、何とかしてまた来れるように道を作ってから辞めていきます。
実際には忙しくて本当に来れることはほとんど無いんだけれど、それでも『今日が一生の別れじゃないのよ!いつでも帰っておいで!』って伝えておけば、安心だよね。
幸い、ここに、水曜日にまりえ先生がいるって状況は20年以上、変わっていないわけで…
忘れた頃、何か辛いことがあった時とか、伝えたいことがある時にふらっと顔出してくれたりするからね〜
Sくんには卒業証書じゃなく通学証明的なモノを渡しました。
卒業じゃないからまたおいで!と。
それからキテレツ大百科ほか藤子不二雄作品のファイルセットをプレゼント。
ちょっぴり寂しいお別れをして、事務所に戻ったらスマホにお知らせが。
あ、私のインスタに新しいフォロワーさんが増えたって。
名前を見てびっくり!
ずーっと昔のアートスクール卒業生でした。うわわわわわわ!私の名前で探してくれたのかな?
水曜日の夜だから通ってた頃を思い出したのかな?
いや、思い出すか???
だって、もう21歳になってるはず!
6年生で卒業したから10年は経ってるよ!(笑)
それも、このタイミングで登場するかね?!
ああ、手塩にかけた子供たちは、こうやっていつかちゃんと帰ってくるんだなと確信したのでした。
なんて幸せな職業なんだろう。
子どもたちの『第三の場所』
やめられないわ〜