接客業とはなかなかに大変なものである。




私が接客をする相手は
常識が通用するお客様ばかりではないからだ。





「いらっしゃいませ」




今日も女神のような微笑みで
お客様をお出迎えする。





ショールームへ案内しながら
ご用件を伺うと、




「特に用はない
暑いから何か飲み物をくれ」








・・お客様 ここは喫茶店ではなくってよ?
冷たい飲み物をご所望ならカフェへ行かれては?
カフェです、カフェ。え?カフェわからない?
カフェもわからないから常識もわからないのですね




・・と、心の中で悪態をつきながら
笑顔でアイスコーヒーをお出しする。



接客業の笑顔の裏には
こんなドス黒い感情が隠れているものだ。





そういえば
お客様にドリンクを提供するたびに思うことがある。



ふくよかな方は炭酸飲料を希望される事が多く、
年配な方は甘いジュースを飲みたがる。



これはその方の体の細胞が
それを欲しているのだろうか?




だが、ふくよかな人はあまり炭酸飲料を飲まない方が
いいのではなかろうか 



・・・と、勝手に考えてしまうのであった。