クチナシの季節です

 

ここのところ続けて2本の映画を見た。1本目『東京カウボーイ』は劇場で、2本目『モンタナの風に抱かれて』(The Horse Whisperer)はテレビで。偶然だが、どちらも舞台はアメリカのモンタナ州だった。行ったことはない。自然豊かなアメリカ西部の州だ。ともに牛を育てる牧場での出来事が描かれている。前者では、猛烈日本人ビジネスマンによる、慣れないモンタナ牧場での異文化体験がコミカルに続く。やがて人間らしい生き方と考え方を獲得していく物語。後者は、心身ともに深く傷ついた馬を、ある牧場主がじょじょに元の健全な生き物に回復させるまでのストーリーだ。広大な農場、牧場、美しい山々、地にしっかりと足をつけ、ゆったりとした生活を送る西部アメリカの人々と動物たちの姿が映し出される。馬に乗ったことは、わが人生で一度きり。50年以上も前のこと、ノースカロライナ州の大学でひと夏サマーセッションを受けたことがあった。隣町に大学の先輩日本人女性が留学中で、ある時乗馬に誘ってくれた。「大丈夫、馬は道をちゃんと知っているから、ただ乗っているだけでいいの」と言われ、こわごわ馬の背中に乗った。私の自信のなさ、信頼の欠如を馬はしっかり見抜いていた。突如メチャクチャ走り出したかと思うと、今度はストライキを起こして立ち止まり道端の草をはむ。冷や汗の1時間だった。おかし哀し青春の思い出だ。

 

Recently I have seen two films: Tokyo Cowboy (2023) at the theater and The Horse Whisperer (1998) on TV.  Both were shot in Montana, USA and dealt with the relationships between people and nature and animals.  Although I have never been to Montana, the beautiful scenery including rivers and grand mountains was quite impressive.  That reminds me of my once in a lifetime experience: the horseback riding in North Carolina in summer of 1971 when I attended the summer session at the university.  As I was not used to horses, the one-hour riding through the woods was terrible and scary.  Nonetheless, no doubt one of the funniest and unforgettable memories of my student life in America.