ヴィム・ヴェンダース監督の『パーフェクトデイズ』を見た。静かな映画だ。会話はほとんどない。中年男性が繰り返す単調な日々の暮らし。過去にはいろいろな出来事やドラマもあったようだが、今はひとり。朝起きて、仕事に出かけ、帰れば銭湯へ、その後は馴染みの店で一杯。植物を愛で、仕事の合間に眺める木々の木漏れ日に癒される。床につき、眠りに落ちるまで読書という毎日が描かれる。主人公平山さんの平凡な暮らしを眺めたところで、はて私自身は。今はもう仕事はしていない。週1回、Zoom で英語のレッスンをするが、生徒さんはふたり。顔を見るだけでほっとするひととき。午前中、時間のある限り、近くの川沿いを歩く。途中、パン屋さんに寄ることもある。護岸にカワセミの姿を追うが、なかなかお目にかかれない。いつも会う老男性、「元気だねー」とあいさつしてくれる。私「いえいえ」と答える。午後は、一日おきに、小さなスケッチブックに絵を描く。毎週土曜の午前には、ごく短いエッセイ風の文をブログで発信する。日曜の朝は教会へ。2週間に一度、電車に乗って整形外科に通う。寝る前の2時間は、私の大好きな時だ。タブレットを開き、今日一日の簡単な出来事をつづり、ニュースを見る。その後、Kindle に落としたミステリーを英語で読む。パーフェクトとは言えないが、わがシンプルライフ、こう書いてみるとまあまあかな。

 

This week I went to see a movie titled Paerfect Days - Days of Hiyayama in Shinjuku.  Although I like to see good films, it is hard for me to find time thus I often miss them.  It was directed by the famous German director Wim Wenders who is a great admirer of the late Japanese director Yasujiro Ozu.  Like Ozu's works the film depicts a quiet simple daily life of an ordinary person with little dramatic happenings or episodes.  I was impressed with the hero's modest but content solitary life in Tokyo.