年末、久しぶりにキッシュを焼いた。最後に作ったのは、遠くの親戚5人がわが家に寄ってくれた2−3年前の秋。以前は、クリスマスや年末が近づくと、張り切って複数のキッシュを焼いては、ご近所さんにお配りした。それが、なぜか、長い間とんと出番を失ったような状態で、自宅用でさえ、すっかり献立から抜け落ちてしまっていた。今回、2個焼いた。ひとつはわが家の夕食用、もう一個は丸い大きめのパイ皿に焼いたものを半分に分け、いつもおみやげをくださる近くの親しい二家族にお持ちした。「熱々のうちに召し上がってください」と、夕方6時少し過ぎにお届けした。
翌日、それぞれの奥様から、お持ちしたお皿が戻ってきた。「おいしかったー」との反応をもらい、こちらも温かい気持ちに満たされた。ご丁寧にも、和菓子や大ぶりのみかんがのっかったお返しのお皿、恐縮するばかり。ずっとずっと以前、何をおわけしたのかさえ忘れてしまったが、食べ物入りの小さなタッパーウェアをお渡ししたことがあった。その入れ物が戻ってきた時、中にかつお節削りパックが入っていた。ハワイ出身の日系アメリカ人女性からの返却だった。食べ物をいただいた折リ、入れ物をお返しする作法を、遅まきながら学んだ気がした。
私が焼くキッシュは、「ロレーヌ地方のキッシュ」(Quiche Lorraine)。『マルチーヌ・ホーのフランスの家庭料理』という料理本からのレシピを参考にしている。この本、実は著者本人から購入した。裏表紙には、彼女のサインが入っている。1992年11月4日の日付。マルチーヌさん、かつて私が32年間、非常勤講師として英語を教えた女子大学で、一時期フランス語講師をしていたフランス人女性で、結婚されたお相手は中国系だったと記憶する。
積極的に台所に立ちたいとか、料理が特に得意でもない私だが、なぜか料理本を見たり、テレビの料理番組を見たりが好きだ。いいな、おいしそうだな、と思っても、なかなかすんなりとすぐに実行できないが、興味だけは人並みだ。手持ちのフランス料理やイタリア料理の本を読みながら、下ごしらえをして、オーブンで焼くという一品が好きだ。逆に、繊細な日本料理は、いつまでも下手なまま。また中華も、大きくて重たい鍋やお玉に、いまだ尻込みしてしまい、回鍋肉や麻婆豆腐などの調理は、もっぱら連れ合いにおまかせしている。
A week or so ago, I decided to bake quiche that I had not made for some time. This time I baked two plates: one for us and the other for my two neighbors who often gave us souvenirs whenever they went out. I thought it was nice to return their kind thoughtfulness. I delivered each half of the freshly baked hot quiche at around the dinner time. I was very pleased to know that both neighbors much appreciated my end-of-the-year cooking.
