成功失敗を知る鍵として、「自分はどれだけ地元に馴染めているか」
というのが重要な要素の一つです。
どれだけ、地元の人の生活に沿って生きる事が出来るか、
どれだけ、その土地に染められる事が出来るか、
地域活動から、町内会、近所付き合いなど、
どれだけ、地元の人と馴染めるか、その土地に根を下ろせるか、
ということです。どれだけ長く住んでいたとしても、
その地を去る時に、誰にも気付かれない、方便でも惜しまれないようでは、
「土地に馴染む」ことには失敗した事になり、つまりは、
社会的見解からは、外国生活が上手く行かなかった事を意味しています。
その土地に馴染む、地元民、またはその土地の住民と馴染む事を
英語では「integrate/integration」といいます。移民の多い米国、英国等では
移民問題の一つの焦点として、広く知られています。
どういう事か簡単に説明すると、分かりやすいのが、チャイナタウン。
中国人コミュニティーとして世界中のあらゆる国に存在するチャイナタウン。
住人は、ほぼ100%、中国人。使われるのは中国語。
その土地の風習慣習、宗教にも馴染まず、自国のものだけを祝います。
地元の言葉が通じない場合も多いため、地元民をよそ者として疎外し、
見えないけど厚い高い壁を築き、地元と交わる事なく生活するのです。
これは、完全にintegrationに失敗した例です。
移民の多い米国、英国では、中国人に限らず、移民同士で固まる現象は珍しくなく
第一世代に限らず、第2、第3世代の移民子孫までも、またintegrationに失敗し、
「仲間」「外者」といったはっきりとしたグループ意識を持つことも多いです。
そういう社会現象はしばしば地元民からはつめたい視線を向けられるのですが、
差別されるから固まる(integrateしない)固まるから差別される、の堂々巡り。
しかし、これが、米国、英国、そしてヨーロッパの国々で起こっている
現実なのです。
実は、日本人も例外ではなく、integrationが苦手なようです。
日本人コミュニティーとして一番有名なのが、アメリカの西海岸。
アメリカに住みながら、日系スーパー、日系人経営のお店で買い物し、
家でも日本食、外食も日本食、お付き合いも大体が日本人、
家では日本のテレビ番組を見て、あたかも日本にいるような生活をする、
ことが可能であり、実際そういった生活をしている人が沢山います。
それを批判するつもりは全くありませんが、
私は、外国に住む醍醐味の一つはintegrationだと思っているので、
自分がそのような生活をしたいと思った事は、一度もありません。
誰しも、ある程度、ホームシックにかかる事は当たり前のことです。
また、常に移民、外国人、(投票権など権利を与えられない)第2の市民として
扱われるのにも飽き飽きする時もあります(時に犬猫の扱い)。
そんな時、自分、自国のアイデンティティーを強く打ち出す事は、
人間としての尊厳を保ち続ける為の、ある程度必要な自己防衛であるとも
言えるかもしれません。
ただ、一方で、integrateに大成功している人種もたくさんいます。
米国における英国人、英国における米国人、などなど。
つまり、言語に精通していれば、それほど難しい事ではないのです。
(これは、人種、宗教の問題もあるので、一概に言い切れませんが。)
言語で自己防衛出来るならば、グループ、コミュニティーの力は必要ないからです。
日本のような先進国から、海外移住を決める場合、移住する理由は
「お金、出稼ぎ」ではなく、殆どの場合が「夢だから」でしょう。
(海外で生活を始めるには、日本で生活している以上にお金がかかります。)
それは、「より良い生活、人生」を目指す。「未知の生活、出会い」に対する期待。
誰も出発前から、「新しい土地で、日本人を捜し出して友達になろう」
「自国に近い生活をしよう」と思って海外移住を決める人は少ないと思います。
(海外赴任で渋々、という人を除いて)
異文化を知ろう、地元人と触れ合おう、と思う事が、integrationの基底です。
そして、それが、海外移住、移民としての理想、成功と考えられています。
初心に戻って、思いっきり地元と交わってみましょう。