今日は、アメリカの大統領選挙についてお話ししたいと思います。
アメリカは、ご存知のように大統領制を採用しています。
国民が大統領選に投票出来るなんて、これぞDemocracy(民主主義)!
と、思われるかもしれませんが、古代ギリシャの民主主義とは異なり、
一人一人の投票結果の多い少ないで、勝ち負けがつくわけではなく、
是非の議論が出ているElectoral College Systemを採用しています。
システムを簡単に説明すると:
国民が投票する
↓
郡の単位で集計され、州としての結果を出す
↓
州に与えられているElectoral votea を党に加算する
(ここが問題なのです!)
↓
全部で538のElectoral votesの過半数、270を得た党の勝利
このElectoral votesの数は、州の人口を反映して決められていますので、
人口の多い州はElectoral votesの数も多くなります。
(正確に言うと、州の擁する議員の数に反映するのですが、
議員の数は人口に反映しているので、簡単にして言いました。)
問題は、州の決着段階で負けた党の票は切り捨てになる事です。
例えば、フロリダ州。最後の最後迄いつも決着のつかない州の一つです。
最終結果では、トランプ47%、クリントン46.6%で、トランプ勝利です。
この僅かな違いをご覧下さい。殆ど共和党半分、民主党半分なのに、
29票がまるごとそのままトランプに与えられるのです。一方クリントンは0です。
こういう、どちらに転ぶか分からない州をSwing states(揺れている州)と呼び、
毎回、焦点が当てられるのです。代表的なのがフロリダ州(29票)、オハイオ州(18票)、ペンシルベニア州(15票)です。
今回も、接戦だったSwing states。オハイオ州票はトランプに、
ペンシルバニア州票はクリントンに。この3つの州を総合集計すると、
投票数に出る差はわずか、0.5%。それなのに、Electoral votesにすると、
トランプ氏47票、クリントン氏15票、と大差がつきます。
そして、半数近くもあるクリントン票は全て切り捨てられました。
実際の投票数の最終結果は、クリントン票がトランプ票を200万票も超えました。
古代ギリシャの投票システムでは、クリントン氏の当選になるところ、
Electoral College Sytem では、トランプ氏の当選になったのです。
システムの問題点、お分かり頂けたでしょうか。
そして、テキサス州、ユタ州等の確固とした共和党州では、
民主党支持者は投票に行った所で、切り捨てられるだけで、勝ち目がないので、
投票に出かけさえしない、という話です。
実際、一人一人の声が反映される選挙制度であれば、
Red statesに住む民主党支持者も投票を果たし、
誰もが納得のゆく選挙結果になる、と、思うのですが、
そこ迄、政治に公平を求めるのは所詮無理な事なのでしょうか・・・。
