”Fine European...” | 海外生活 時事と常識

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ヨーロッパに居ると必然的に出会うハイアラーキーがあります。
 
車、電気製品: ドイツ>イタリア>フランス>イギリス
食べ物(一般):イタリア・フランス>スペイン>イギリス
ワイン、チーズ:フランス・イタリア>スペイン>オランダ等々
ビール:    ドイツ・イギリス>その他
福祉:     スウェーデン>フィンランド>イギリス>ドイツ
教育:     イギリス>ドイツ>北欧>その他の国々
ファッション: フランス・イタリア>その他の国々
時計はスイス、家具は北欧、ビーチはイタリア、お城はフランス。
 
リストは永遠に続きます。色々な所で色々な国の競争がある、
とても良いバランスの共同体である事が見て取れると思います。
 
これは、単に人々のアイデアで、統計的にみているわけではありません。
ヨーロッパとひと言で言っても、ヨーロッパの顔はひとつではありません。
国により、社会、政治、気候、生活、習慣、食生活、言葉、何もかも違います。
イギリスとイタリアの違い、スペインとドイツの相違は、
日本とシンガポールと言っても過言ではない程、大きな違いがあります。
 
そして、その構図にアメリカを加え、アメリカ的に考えるとこうなります。
 
車:     ヨーロッパ・日本>アメリカ
食べ物:   ヨーロッパ>アジア>アメリカ
福祉:    ヨーロッパ>アメリカ>アジア
ファッション:ヨーロッパ>アメリカ>日本
電気製品:  日本>ヨーロッパ>アメリカ
教育:    アメリカ・ヨーロッパ>アジア
 
ヨーロッパがかなり優秀な成績を上げているのがお分かりと思います。
そうなんです、ヨーロッパはいつもアメリカの先を行く憧れの土地なのです。
(実際その通りかもしれませんが、ヨーロッパから見ると、
色々な所で、逆にアメリカを崇拝していることも良くあります。)
 
しかしここで、注意して頂きたいのが、先程も申し上げたように、
ヨーロッパは一つの国ではない、ということ。
先程のリストをヨーロッパから実際の国名に変えてみると、
 
車:     日本・ドイツ>アメリカ
食文化:   日本・フランス・イタリア>アメリカ
福祉:    スウェーデン>アメリカ>日本
ファッション:フランス・イタリア>アメリカ>日本
電気製品:  日本>ドイツ>アメリカ
教育:    アメリカ・イギリス>アジア
 
と、ヨーロッパの無敵伝説は消えてしまいます。
(あくまでも、人々の一般的な理解により解釈しています。
そして、アメリカで日本製のもの、食物であったり電気製品であったり、
又は文化であったりを抜きにして考える事は不可能です。)
更に言うと、例えば、イギリスを単独の国としてリストを作成すると、
 
車:     日本>アメリカ>イギリス
食べ物:   日本>アメリカ>イギリス
福祉:    イギリス>アメリカ>日本
ファッション:アメリカ>日本>イギリス
電気製品:  日本>アメリカ>イギリス
教育:    アメリカ・イギリス>日本
 
と、成績は更にグンと下がり、アメリカも上位に躍り出ます。
そして、ここで名前さえ挙がっていないヨーロッパの国で、
同じように、ハイアラーキーを作るとしたら、結果は言わずもがなです。
 
しかし、それでも、その国がヨーロッパの国の一つである事には
変わりがないわけで、それを「ヨーロッパ」として宣伝しても、
「嘘八百」にはならず、「ヨーロッパ(製である)」と耳にしただけで、
アメリカ人の印象は、「ヨーロッパ=優秀」「いいものに違いない」
という事になります。
 
そういった、人々に誤解を招くような宣伝が、あちこちにあります。
消費者から見ると、そして、ヨーロッパを熟知している者にすると、
Deceptive advertising(虚偽広告)じゃないか、といつも思うわけです。
 
宣伝には、大体「Fine European〜」使われます。例を挙げると、
 
Gevalia という名のコーヒー。
「洗練されたヨーロッパのコーヒー」と宣伝されています。
洗練されたヨーロッパ、コーヒー、と聞けば、誰もがイタリアを思うでしょう。
Gevaliaと名前もイタリア語っぽい。賢い消費者的に、パッケージをくまなく読む、
インターネットで製造地を調ベる事をしない限り、一般人は、イタリアを想像し、
とてもいい印象を受けるでしょう。しかし、実はこれはスウェーデン製です。
スウェーデンのコーヒーと売り出せば、売り上げはぐっと下がる事でしょう。
 
Hotpoint という名の電気製品。
優秀なヨーロッパの機械を使用している、という売り。
優秀なヨーロッパの機械と聞いたら、ドイツ製と誰もが思う所ですが、
これは、電気製品が長持ちしない事で有名なイギリスで生まれたイギリス製です。
 
Kirchmayr という名のチョコレート。
Fine European Chocolateという売りですが、いつからドイツが
質の良いチョコレートで有名になったのか知りたい。
(といえ、アメリカの物に比べて質がいいと言いたいのかもしれない?)
 
Domain Muller ドイツ産のワインであっても、売りは「Fine European wine」
カリフォルニアワインの方がずっとFineである事に異論を唱える人はいないと思う。
 
つまり、「Fine European」という宣伝は逆に言うと、
ヨーロッパのクオリティー規格で考えると「Fine ではない」と解釈しても
あながち間違いではないかと思われます。
Fine Europeanで宣伝されるものは、いわゆるまがい物。
なぜなら、それが、「Finest of Europe」(ヨーロッパでも質の高いもの)
である場合、アメリカでも、これはItalian(made in Italy)なり
French(made in France)なりGerman(made in Germany)なり、
ちゃんと国名を挙げて、ここぞばかりと宣伝するからです。