アメリカとイギリス | 海外生活 時事と常識

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よく、アメリカとイギリスは兄弟のようなものだと
聞きますが、両方の国に長く滞在したものに言わせてみると、
「兄弟なんて程似ていない」というのが率直な意見です。
それでも、兄弟と言い張るのであれば、複雑な家庭に育った兄弟、
例えば、両親が離婚し、1人は父親の元に、もう1人は母親の元に、
兄弟遠く別々に育った、血縁こそあるが、それ以上の繋がりはない兄弟。
習慣、価値観、理想、善悪の判断、話し方、笑いのツボ迄違う両者、
兄弟ではなく、せいぜい、遠い親戚の従兄弟、と言った所でしょうか。
そして、遠い親戚の従兄弟関係にある国は、何も米国と英国に限りません。

スペイン語繋がりの、スペインとメキシコ(を始めいくつかの南米の国)。
ポルトガル語繋がりのポルトガルと、ブラジル。
スペインで話されるスペイン語と、南米で話されるスペイン語や、
ポルトガルで話されるポルトガル語とブラジルで話されるポルトガル語は、
お互い似ていますが、起源は同じものでも、全く同じものではありません。
同じラテン語という起源から、いくつものヨーロッパ言語が生まれたように、
南米語も、それぞれ違った形で発展して行き、語彙から尊敬語の使い方まで、
国でそれぞれ違う、という話です。それは、ちょうど、私が思うアメリカ英語と
イギリス英語の関係と同じ様な気がします。同じ言語であるけれど、
文法も、語彙も、酷似しているけれど、一方が他方の「方言」と言える程、
同一のものではない、という事です。
 
こういった従兄弟関係、共同体関係にある国々は世界中のあちこちにあり、
その中でも、有力なのがThe commonwealth of Nations(イギリス連邦)。
大英帝国の植民地の歴史から、今も共同体としての繋がりは残されており、
その国々で、英語が公用語であるのもその歴史的背景から来ています。
イギリスの「コモンウェルス」として、世界中でも良く知られるのが、
カナダ、オーストラリア、ニュージーランド。
この国々は、言語だけではなく、様々なシステム(車両左側通行等)、
祭日等の習慣をイギリスに見習っている為、色々な意味で、
アメリカよりもイギリスとの繋がりが強い従兄弟国(姉妹国)と言えるでしょう。