この春から
ボランティアで寄らせていただいている
一般社団法人アルマ代表の方から
多頭飼育崩壊の現場に行くとの連絡が・・・

「多頭飼育崩壊」ネットなどで見たり知ってはいたものの
実際の場所に入ったことはありません。

GO!保護犬GO(猫も)~知る・見る・伝える→殺処分ゼロへ という
ブログの発信者とアルマの代表者が連絡を取りあい
同じ保護をやっているもの同士、協力出来ることはないか
実際の現場の現状を確認しにいくとのことでした。

私に何が出来るかはわかりませんでしたが
ライスワークを早退して、一路富士の麓へ

現場は、とても劣悪な状況。
ひさしはあるものの基本雨ざらしな場所に
約20頭が檻に入れられております。
飼い主は老夫婦でしたが
先日おばあさんが亡くなり
いま、もうじき80歳になる、おじいさんが一人で
一日一回餌をやりに来ます。
餌代のために、警備員の仕事をしているとのことで
餌以外の面倒はほぼみれず
数年前から
保護団体の人や役場が介入して
現状を維持しているとのこと。

まだ、おばあさんがいたころ
最大120頭まで膨れ上がった犬の数。
避妊・去勢をせず
捨てられた犬を「かわいそう」に思い引き取り続けた結果です。

保健所での「安楽死」はかわいそう・・・
避妊・去勢はかわいそう・・・
産まれた子犬を親から離すのはかわいそう・・・

たくさんの「かわいそう」で
本当の悲劇は産まれました。

もうじき夏・・・状況はさらに劣悪になります。

檻の中からほとんど出されることなく過ごした犬達は
ストレスと恐怖心の塊。
吠え続ける犬、威嚇してくる犬、
シャットアウトでなんとか持ち堪えている犬
怯えて震え続ける犬、、、、

ボランティアの人たちの善意がなければ
きっともっと状況は悲惨さを増していたはずです。

これでもいい方・・・・
否・・・間違ってはいけない
見慣れてはいけない現実がそこにはありました・・。

役場が、しぶしぶ動き
この状態にしてから約5年。
犬達は医療的なケアも受けられず
散歩にも行けず
春夏秋冬
檻の中で
ただひたすら生きている・・・

人間ならとっくに気が狂っていてもおかしくありません。

犬の目に浮かんでいるのは怒りではなく
強烈な寂しさと絶望
切なすぎます・・・。
気を張っていないと何も手に付かなくなります。

いま、私に出来ることは何か・・・。



犬達は糞尿まみれの布団の上に寝ています。
ボランティアさんの話では
威嚇が酷かったりして
なかなか取り替えてあげられないコが多いとのことでした。
取り替えられないから、新しいものをうえから被せていくとのこと・・
それでなくても狭い檻の中
座布団を重ねていいのは笑点だけです!

地元ボランティアの女性と共に
片っ端から寝床を取り替えて回りました。

地ボ「この子は、ほんとに酷くて替えたいんですけど・・
      いつも怒ってて・・この子はちょっと駄目かなぁ」
私「いえ、替えましょう。絶対に替えます。」
犬は大暴れするけれど、私が抑えている隙に
敷物を引きずり出してくれるようお願いして。。
息を合わせて取り組みます。

ひとしきりの格闘の末
無事任務完了。
きれいな布団の匂いを嗅いでくつろぐ犬
ほぼ全部の犬達の寝床を取り替えられました。
やり遂げられて良かったです。

その際、犬のサインについて
地元ボランティアの人に
犬を見ながら説明させていただきました。

寝床を替え、水を替え、餌を替え。
けれど、散歩までは出来ませんでした。
現場には複雑ないきさつがあり、こちらも無理は出来ません。
とにかくは目についたものを片づけること。
残飯を処理すること。
出来ることには限りがありました・・。

 
 
 
 
 
 
 
 


今回は、様子を見るだけと言っていた
アルマの代表が参考までに、
この犬達の中で状態のいい子を
見てくれないかとのお話を頂き・・。
約20頭いる子達のなかで
比較的、人馴れしやすそうな犬を
ピックアップ・・よく観察して可能性を探ります。

檻の中にいる状態で見れる可能性は限られています。
本当は、外に出してみないと・・・
一緒に歩いたりしてみないとわからないですが
特殊な状況のため
みんなで、検討を重ねます。

地元のボランティアさんから普段の様子を聞いて
これまでの、喧嘩やトラウマの有無など伺いつつ

人馴れにかかる時間の差こそあれ
半分くらいは、なんとかいけそう・・・
中でも、一番早く人馴れしそうな子をお勧めしたのですが
譲渡に繋がりやすい「見た目」が意外と大切とのことで
大丈夫そうとした子達の中から
二頭をアルマで引き取り里親を募集することに。




おじいさんもおばあさんも正しいと思っていたのです。
どんなに指を刺されても、犬達を殺すよりいいと。
けれど、犬達に残されたのは過酷な現実だけでした。



みんなそれぞれが
自分の正義に従って生きています。
どれも正しい
正しいけれど
何かが違う・・・。

あなたはどう考えますか?

最後に後ろの足先のない子猫を
アルマの代表は引き取ることにしました。
 
「とても人懐っこい子だけど
この子は誰にも貰ってもらえそうにないし」
とおっしゃっておりました。