露骨な国民騙しの美辞麗句 安倍自民の公約は嘘ばかり<下>
日刊ゲンダイDIGITAL 2019/07/04
 
■仰天、参院選パンフに北方領土問題解決とは
 

プーチン大統領にいいようにあしらわれている(C)Sputnik/ロイター
 
外交公約もイカサマのオンパレードだ。
 
 トランプ大統領から、「日米安保条約は不平等だ。この6カ月間、安倍首相にも伝えてきた」と、日米関係を変更すべきだと訴えられても、「日米同盟は強固だ」と有権者に訴えているのだからもう漫画である。しかも、トランプとは「無二の親友」のはずなのに、先月30日に行われた「米朝電撃会談」について一切、事前に知らされなかったのだから話にならない。「盟友」ならば、真っ先に伝えられるのではないか。
 
 一体、どこが「強固な同盟」なのか。なのに、NHKを筆頭とする応援団メディアは「世界のリーダー」などと持ち上げているのだから、どうかしている。
 
 仰天なのは、参院選の公約に堂々と「ロシアとは領土問題を解決し、日ロ平和条約の締結を目指します」と掲げていることだ。北方領土の返還交渉が行き詰まったことは、子供だって知っているのに、この詐欺師政権は、堂々と嘘をつけば国民を騙せると考えているのだから信じがたい。
 
「北方領土の返還交渉は、日本の完敗でした。昨年11月の日ロ首脳会談以降、日本は一方的に譲歩を重ねてきた。『4島返還』や『固有の領土』という従来の主張を封印してしまった。
 
 その一方、ロシア側は『4島をロシア領と認めない限り交渉しない』などと、どんどんハードルを上げていった。結局、4島どころか2島も返らず、経済支援をさせられただけでした。これほど国益を損ねた外交があったのでしょうか。いったん2島返還で譲歩したため、もう4島返還を訴えることもできなくなってしまった。安倍首相は国民に説明し、謝罪すべきですよ。ところが、この期に及んで『日ロ交渉を加速』を公約に掲げているのだから、神経を疑いますよ」(筑波大教授の中村逸郎氏=ロシア政治)
 
 ペテン首相は選挙中も、トコトン外交で“やっている感”を演出するつもりだ。
 
■韓国叩きで得票をもくろむ卑しさ
 
得票狙いなのは明らか(C)共同通信社
 
 安倍政権の薄汚さがよくわかったのが、わざわざ参院選の直前に、韓国に対する「輸出規制」を打ち出したことだ。
 
 半導体製造に使われる化学製品3品目について、韓国への輸出規制を強めると発表。と同時に、安全保障上、問題のない国として輸出手続きを簡略化する「ホワイト国」のリストから、韓国を外すことも明らかにした。
 この3品目の供給を断たれたら半導体の製造は不可能。半導体が基幹産業である韓国には大打撃だ。

 さすがに今回の日本の対応には、国際社会から批判の声が上がっている。WTOのルールにも反しかねないから当たり前だ。
 
 しかも、G20サミット議長国として「自由で公平かつ無差別な貿易」を宣言にまとめた2日後に発表したのだから、国際社会が不信の目を向けるのも当然というものだ。
 
 この時期に「韓国叩き」に走った理由は、“得票狙い”が目当てなのは明らかだ。
 
 経済アナリストの菊池英博氏はこう言う。
「日本経済にとって、韓国に対する輸出規制は、メリットは何もありません。マイナスばかりです。将来的には韓国企業が供給元を日本企業から変える可能性がある。それでも安倍政権が、韓国イジメを始めたのは、参院選で票を集めるためでしょう。2017年の衆院選の時、安倍政権は北朝鮮の脅威を煽り、“国難突破解散”と名付けて大勝した。麻生大臣は『北朝鮮のおかげで勝てた』と正直に話しています。でも、米朝会談が行われ、もう“北風”は使えない。そこで、今回は、ネトウヨを中心に広がる“嫌韓感情”に火をつけるつもりなのでしょう。安倍支持者は、中国叩き、韓国イジメをすると喜びますからね。それもこれも、安倍政権には他に訴える材料がないからです。年金2000万円問題消費増税から国民の目をそらす狙いもあるでしょう」

 安倍政権の露骨な「国民騙し」「争点隠し」は、いずれ有権者から批判を浴び、裏目に出る可能性もあるのではないか。
 
=== 日刊ゲンダイDIGITAL 記事(ここまで)===
 
以下、文責:マリヤ・マグダレナ
 
 『外交の安倍』ほど胡散臭い売りはないでしょう。各国を訪問して、訪問先の国の歓心を買うために血税をばら撒く援助交際のような外交をもって『外交の安倍』を名乗るのは詐欺的です。
 世界各国を血税で旅行する『外遊の安倍』なら話は分かりますが、外交らしい外交はせず、ロシアについては、『北方領土』という言葉さえも使えなくなりました。
 
 『外交の安倍』を名乗るなどおこがましい。『外遊の安倍』に改めるべきです。