露骨な国民騙しの美辞麗句 安倍自民の公約は嘘ばかり<中>
日刊ゲンダイDIGITAL 2019/07/04
 
(自民党令和元年政策パンフレットより)
 
■改憲争点と言いながら、勝敗ラインは過半数という身勝手

「目標が〈与党で過半数〉でどうやって改憲できるのか」――。
 3日の日本記者クラブ主催の党首討論会で代表記者に突っ込まれた安倍は、「与党ということではなくて、与野党で3分の2を形成する努力をしていきたいと言っている」とグニャグニャ。
 安倍は、参院選で改憲を公約に掲げ、憲法審査会での国会審議に応じない野党をヤリ玉に挙げて、「議論しない政党か、正々堂々と議論する政党か、それを選ぶ選挙だ」とエラソーにブチ上げたクセに、勝敗ラインは、非改選含め与党で過半数。公明党が目標の13議席取ると仮定すると、自民は改選67議席から27減らしても到達可能だ。改憲発議に必要な3分の2(86議席)に遠く及ばない。
 40議席でも勝利という低いハードル設定は自信のなさの表れ議席を減らした後の“安倍降ろし”への予防線だが、本気で改憲を目指すなら、有権者に堂々と訴え、3分の2議席維持を訴えたらどうだ。
争点の年金問題は安倍首相にとっての“鬼門”。そこで改憲論議を持ち出し、争点隠しを狙っているのでしょう。それに手を貸しているのがメディアで、討論会などで、必ず改憲をテーマに取り上げます。国民の関心が高い年金や消費税などのテーマの時間を削って改憲を扱うのは、安倍首相の争点隠しに加担していることにもなります」(立正大名誉教授・金子勝氏=憲法)
 安倍の身勝手さを許してはいけない。
 
■非正規、中小企業にとっては地獄の1丁目から2丁目に
 
中身はスカスカ(C)共同通信社
 
 党首討論会でアベノミクスの行き詰まりを問われた安倍は、「380万人の雇用を新たにつくった。金融政策によって雇用がつくられた」と強弁。公約集にも性懲りもなく「アベノミクス6年の実績」を列挙しているが、安倍政権下で庶民生活が苦しくなったのは周知の事実だ。
 実質賃金は0.7%下落非正規雇用は220万人も増え年収200万円以下のワーキングプアも100万人以上増えている。賃金は下がり、不安定雇用を増やしただけなのだ。
 その批判に、安倍はこれまで総雇用者所得が増えたと反論してきたが、2日発表の「国民生活基礎調査」によると、17年の1世帯当たりの平均所得は前年比8万円も減っている。生活が苦しくて働きに出ても世帯所得は減っているのが実態なのである。
 さらに、今、中小企業は完全に失速している。世界経済減速、消費低迷、人手不足、賃上げ圧力、原材料高騰――。6月日銀短観の中小企業・製造業の業況判断指数は7ポイント悪化のマイナス1に。16年9月以来のマイナス圏に落ちてしまった。
 安倍が株価をつり上げ“好景気”を演出しても、非正規や中小企業はすでに「地獄の1丁目」に立たされている。
このタイミングで消費税を10%に上げると大変なことになります。昨年来の値上げラッシュで悲鳴を上げている中の増税で、ワーキングプアの方は生きていくのも大変になる。不況下で、真っ先にクビを切られるのも非正規です。輸出・大企業は外需で乗り越えられても、体力のない中小企業は太刀打ちできないでしょう」(経済評論家・斎藤満氏)
 非正規や中小企業は「地獄の2丁目」行きを余儀なくされる。
 
■明治への憧憬政権が女性活躍とうたう大笑い
 

女性議員は少数派だが…(C)日刊ゲンダイ

 安倍は口を開けば「女性の活躍」「女性が輝く社会」と女性が喜びそうなスローガンを連発し、参院選の公約パンフレットにも「指導的地位に占める女性の割合を3割にする」などと掲げている。
 しかし、本気で「女性活躍」など考えていないことは明らかだ。
 ホンネが表れたのが先月30日に行われたネット党首討論だ。立憲民主の枝野代表に「選択的夫婦別姓は女性の社会参画に不可欠ではないか」と詰め寄られるや、「(夫婦別姓の是非は)いわば経済成長とは関わりがないというふうに考えています」と明言を避けた。
 さすがにこの安倍発言には、ネット上で批判が噴出。〈経済成長の役に立たないのなら女性の権利はどうでもいいと思ってるわけですね〉〈選択的夫婦別姓という人権で考えないとならない問題を、「経済成長としての課題ではない」という理由でまともに対応しない人物が推進する男女共同参画社会とは〉と痛烈だ。
「安倍首相の正体見たりです」とは元衆院議員で政治学者の横山北斗氏。
 
彼のホンネは経済界のために女性を働かせて労働力不足を補いたいということ。何でもいいから女性に働きに出てもらいたいのです。そのために『女性の活躍』みたいな進歩的に聞こえる言葉を使い、女性票の獲得にも利用しようという魂胆です
 安倍自民党の本音は時代の進歩ではなく、歴史の逆戻りなのだ。

「自民党議員の多くは、女性より男のほうが上だという考えが意識の根底にあるのです。だから妻が夫の姓を名乗る社会を存続させたい。江戸時代や明治時代のような女性が男に帰属する社会に戻したいというのが本音です」(横山北斗氏)
 3日の党首討論では「選択的夫婦別姓を認める」という項目で、安倍だけが手を挙げなかった。「女性活躍」は歴史の大ウソ。騙されてはならない。
 次は【仰天、参院選パンフに北方領土問題解決とは】
 
=== 日刊ゲンダイDIGITAL  記事(ここまで)===
 
以下、文責:マリヤ・マグダレナ
 
「アベノミクス6年の実績」の簡単に総括すると次のようになります。
 ・実質賃金は0.7%下落。非正規雇用は220万人も増加
 ・年収200万円以下のワーキングプアも100万人以上増加
 ・賃金は下がり、不安定雇用を増やした
 
政府統計データを粉飾してアベノミクスを偽装しているのだから、安倍政権下で庶民生活が苦しくなったと感じるのは当然の結果だと思います。
 
 なぜ安倍政権が長期政権となっているのか、それは安倍政権の御用学者がとても多いからではないでしょうか? 安倍政権の御用学者がとても多いから噓やデタラメがバレにくい。御用学者をうまく使っています。民主党はこれが下手でした。
自称保守系論壇人やら自称保守系エコノミストの類が安倍政権を中立偽装しながら擁護するため問題点がなかなか認識されにくいということだと思います。