故・橋本治氏の“遺言” 5年前に見抜いていた安倍首相の空疎
日刊ゲンダイDIGITAL 公開日:2019/01/31 14:50
 
橋本治氏(C)日刊ゲンダイ
 
 29日に肺炎で亡くなった作家の橋本治氏(享年70)。「リア家の人々」「草薙の剣」などの小説のほか、斬新な古典の現代語訳、エッセーや評論と幅広い作品を残してきたが、集団的自衛権や憲法改正、トランプ現象など時事問題にも深く切り込んできた。実は、安倍政権にも毅然と物申してきた「反骨の人」でもあるのだ。
「週刊プレイボーイ」2016年2月15日号では、〈今や建前が好きなのって自民党の政治家だけじゃない? なんか、あの人たちの言う『伝統』やら『日本』やらが私は一番嫌いなんですよね〉と一喝。「文藝春秋」14年6月号では、〈安倍総理の『保守』を問う〉という特集の中で〈今のトップはああいう人〉と題した記事で、安倍首相を皮肉たっぷりにこうブッタ切っていた。
『日本を取り戻す』、とか『戦後レジームからの脱却』というのは、未来を目指すものよりも、過去を前提とした未来志向という点で、空想的なレトロフューチャーだと思う〉〈今の日本のトップは『~しようじゃありませんか!』と、一人称複数の命令形を疑問形で呼びかけて巻き込もうとしているのだとは思うのですが、それに対して熱狂的な歓呼の声が湧き上がっているわけでもないでしょう〉
 今からさかのぼること約5年、既に安倍首相の空疎さをハッキリと見抜いていたわけだ。
 
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