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財政危機に直面するギリシャは9日夜（日本時間10日未明）、新たな金融支援の条件としてＥＵから求められた財政改革案を提出
日本の消費税にあたる付加価値税（ＶＡＴ）の引き上げや年金の給付抑制を盛り込むなどＥＵ側に譲歩した内容で、その引き換えとして535億ユーロの支援を要請している模様
ＥＵは12日の首脳会議までに、改革案を受け入れて金融支援を再開するか最終的に判断へ…
地元メディアによると、改革案ではレストランなどへの付加価値税の税率を現行の13％から23％に引き上げ、離島に適用している軽減税率は観光業で豊かな島から段階的に取り払い、法人税は26％から28％に引き上げ
また、年金の支給開始年齢の引き上げのほか、貧しい年金生活者への特別給付制度を2019年までに段階的に廃止し、軍事費は2016年までに3億ユーロ減らす内容で、削減額を従来案よりも上積み
2年間で100億ユーロ以上の収支改善を目指している模様
5日の国民投票では、ＥＵなどが求める緊縮策にギリシャ国民の6割が反対票を投じ、同国政府の新提案に対し、議員や国民から反発の声が上がる可能性が
ギリシャ議会は11日未明（日本時間同日朝）、政府がＥＵに提出した新たな財政改革案を賛成多数で承認
議会のお墨付きを得たことで政府はＥＵ側に改革の実効性を訴え、債務減免など金融支援を引き出す狙い
ＥＵ側は11日のユーロ圏財務相会合で提案を精査し、12日のＥＵ首脳会議で支援の可否を最終判断
ギリシャに輸出している企業は、同国の資本規制が代金取り立ての支障になるとただでさえ懸念していたのに、ギリシャ国民が国際債権団の支援条件を断固として拒否したばかりに一段と圧力を受けている状況
一部の企業がギリシャ向けの出荷を減らしたり、前払いを求めたりしている一方、代金が未収となる可能性が高まる中で輸出を続けている企業も
英輸出金融公社のUKエクスポート・ファイナンス（UKEF）は、ギリシャ向け輸出補償の申請受け付けを停止したと発表、輸出企業に補償を提供する企業は欧州内にUKEFほか数社あり、輸出企業はギリシャなどリスクが高いと考えられる国との取引を続ける上で、扱い量は少ないながらも一種の命綱として利用しているけど…
ギリシャが経済危機に見舞われてからのここ数年、多くの輸出企業は同国への輸出を減らしてきたけど、食料品から薬、燃料に至るまで主要な製品については、輸出補償や輸出保険など多くの海外保証のおかげで出荷が続いているけど、輸入企業や輸出企業によると、それほど重要でない製品の取引は、前払いを求められるなど厳しくなってきたそう
ギリシャの輸入企業は新たな発注ができるのか決めづらくなり、先週発動された資本規制により、政府の特別な許可がない限り、現金の引き出しや海外送金は制限
一方ギリシャでは、品不足や買いだめが広がっているとの報道はないけど、一部の輸入企業は供給が減りつつあると指摘
一部の企業がいざというときに備えてギリシャへの輸出を削減している一方、ギリシャ国内では多くの外国製品への需要が減退しつつある模様
ギリシャで発動された国内銀行の営業を強制的に停止し、預金引き出しを1日60ユーロに制限する措置は、国の稼ぎ頭の観光産業にも大打撃を与えている模様
銀行の休業で日々の生活資金にも事欠く国民は夏の旅行を断念せざるを得ず、停滞色を強める景気の先行き懸念は増すばかり
ギリシャ東部のエーゲ海に浮かぶパトモス島のホテル協会会長、アナ・ロメウ氏は地元紙エスノスに、1日だけで50人分の解約を受けたと明かし、例年夏場は観光客でにぎわうけど、今年は満室のホテルは3割に達せず、銀行休業が始まった6月末以降の売り上げは平年の3割以下に落ち込んだ模様
地元紙カティメリニによれば、北部やエーゲ海の一部観光施設では、現金不足を補うため、トルコやブルガリアの通貨による支払いを受け付け始め、銀行から資金を融通できず、営業に不可欠な衛生用品や食材といった物資を海外の仕入れ先から購入できなくなった例も多く
ECBが保有するギリシャ国債35億ユーロの償還が20日に迫っているけど…
ユーロ圏に残留し、銀行システムの崩壊を防ごうというギリシャの試みの行方を決定づける重要な日に？
ギリシャ政府に償還資金はなく、他のユーロ圏諸国とIMFという主要債権者から新たな資金供給を受けなければ、20日までに資金を確保することはほぼ不可能
償還が不履行となれば、ECBのドラギ総裁は、ギリシャの国債などを同国銀行向け緊急流動性支援（ELA）の担保として今後は認めないようECB理事会から強く迫られる事に？
ギリシャの銀行には、これ以外の適格担保がほとんどないため、ギリシャ政府かECB、あるいは他のユーロ圏諸国が何らかの回避策を見いださなければ、銀行システムは直ちに崩壊の危機に直面
ギリシャ当局は、銀行にユーロ建て融資を行うことができなければ、独自通貨での銀行救済を余儀なくされ、そうなればECBは同国銀行への流動性供給を打ち切り、ギリシャのユーロ圏離脱に前進？
ギリシャが20日満期の国債を償還できなければ、ECBはギリシャの銀行向け支援を打ち切らざるを得ないと示唆したECB幹部も
ユーロ圏の各国政府は、20日をギリシャのユーロ圏での将来を左右する重要な日と位置づけていて、ギリシャが支援策で合意を取り付け、この日を乗り越えられれば、それ以降に満期を迎える国債も償還できるとみられるけど…
ECB保有のギリシャ国債が償還されなければ、状況はさらに複雑に
EU条約でECBの財政ファイナンスが禁じられているからで、償還を延滞した場合にギリシャをやすやすとユーロ圏から離脱させるというのは、タカ派色の濃いECB理事の考え方そのものに？
ECBの保守派は、ギリシャの銀行が中銀緊急融資に大きく依存していることに既に不満を強めていて、ギリシャ国債償還が不履行となれば我慢の限界を超えたとみなす事に？
ドラギ総裁にとって最も厳しいシナリオは、7月20日までに合意できず、ギリシャがECB保有の35億ユーロの国債を償還できないという展開になれば、ECBはギリシャの銀行への支援を打ち切り同国をユーロ圏離脱へと追い込むか、あるいは、ECBの信頼を損なう危険を冒してまで政治家に交渉妥結に向けて数週間の猶予を与えるか、という非常に難しい二者択一を迫られる事に
ギリシャ国債の実務に関して詳しい関係者によると、ECBが保有するギリシャ国債には30日間の返済猶予期間が設けられているけど…
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【ユーロ円 日足】
◆139.30 ボリンジャー
◆137.40 ボリンジャー
◆137.14 一目均衡表基準線
◆135.76 10MA
◆135.69 一目均衡表転換線
◆135.50 ボリンジャー
◆134.96 5MA
◆133.60 ボリンジャー
とこんな感じでしょう
スペインの経済は、最終的にギリシャ危機の飛び火を免れるかもしれないけど、今年終盤の総選挙を控えて流動化している政治情勢は、既にギリシャによって一段と激しく揺さぶられている状況
5日のギリシャ国民投票以降、スペイン国内の左派勢力の間では対立が強まっていて、与党の中道右派、国民党から政権を奪取するために連立が組めるかどうかは疑わしく
通常ならばこうした野党の足並みの乱れは、ラホイ首相にとっては有難い事なのだろうけど、首相自身も、選挙前の経済ショックを回避するためにギリシャを支援しつつ、一方でポピュリズム（大衆迎合主義）政党に付け込まれるのをいかに回避していくかという、厄介な問題を抱えている状況
左派勢力のうち反緊縮を掲げる新党ポデモスは、ギリシャのチプラス首相が率いる急進左派連合（ＳＹＲＩＺＡ）と緊密な関係にあり、世論調査では支持率が僅差の第3位につけているけど、多くの人々を貧困に陥れた長年の緊縮財政を終わらせてくれるかもしれないとの期待が反映された形
ポデモスのパブロ・イグレシアス氏は、スペインの社会労働党を含む欧州の中道左派政党は、右派が推進してきた行き過ぎた緊縮政策を支持してきたけど、結果として経済成長も雇用も上向かなかったと主張。中道左派政党に対して、右派とのいまわしい連携を永久に断ち切って、社会的権利を守る人々の側に結集するよう呼びかけ
イグレシアス氏の側近によると、ポデモスの戦略はＳＹＲＩＺＡとの距離を保って中道支持層を取り込むのではなく、左派の最大政党となることで、そうなれば、現在は左派の中心的な立場にある社会労働党のペドロ・サンチェス党首は、ポデモスが率いる左派政権を支持するか、国民党と大連立を組むか二者択一を迫られる事に？
社会労働党は、大連立に動くつもりはないと表明するけど、ポデモス主導の連立政権が先月、スペインの3大都市で政権を確保した点を踏まえると、ポデモスが社会労働党をしのぐ左派政党になる可能性はじりじりと高まりつつある感じ？
これに対してラホイ首相はポデモスと社会労働党の双方への批判を強め、左派連合が出来れば半年以内にスペインには資本規制が導入され、成長率は下がって債務は膨らむと警告
アナリストによると、ギリシャが痛みの伴う経済改革の条件付きであっても最終的に支援を獲得できた場合は、ポデモスにスペインの経済改革に異議を唱える新たな根拠を与え、社会労働党の支持層をも取り込む材料になると指摘
ギリシャのユーロ離脱には、ラホイ氏再選の鍵を握るスペインの景気回復のシナリオに暗雲を投げかけるばかりか、スペイン国債が海外投資家から再び売りの標的にされる恐れが
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