幸せのありか | 町の本屋さん

幸せのありか

そのまま私は眠った。
哲生の腕の中で拓実の夢を見た。
夢の中で私は拓実に抱かれていた。
夢の中の拓実はあり得ないくらい優しかった。
拓実はやっぱり、よかった。
私は尽きた所で目が覚めた。
夢うつつに私の体は満足していた。
目が覚めてとなりに哲生がいるのを見て、私は我に返った。
夢だからいいか。
とも思うのだが、私は何だか後ろめたい。
いや、哲生は勘が鋭いから、きっと気付いてる。
気付いてきっと傷ついてる。
それでも哲生は気付いてないふりをするだろう。
そしていつもと変わりなく優しい哲生なんだろう。
哲生はそういう人だ。
私は自分が恐ろしくなった。
心も体も私のものなのに、別の方向に向かっている。
拓実を感じるこの体が醜く思えた。
私が醜く思えた。